松本市の山男です。
今回は、『冬の北アルプス乗鞍岳登山(乗鞍高原)の魅力をご紹介』ということで山トークをしていきます。
乗鞍岳は、僕の冬のホームマウンテンです。
毎年、冬は月に数回は午前2時~3時頃から乗鞍岳山頂に向けて登山をしてきました。
大雪原での自撮り写真。厳冬期用ザックを背負ってます。一番左のピークが乗鞍岳山頂の剣ヶ峰(3026m)です。
『乗鞍岳を雪山登山の行きつけにしてきた理由』は、こちらでくわしくブログ投稿をしています。
数十回の冬の乗鞍岳登山をしてきた経験から、冬の乗鞍岳登山(乗鞍高原)の魅力をお伝えしたいと思います!
冬の乗鞍岳(乗鞍高原)について簡単に言うと、アクセスの良い北アルプスの雪山、目の前に広がる大雪原と雪山ならではの雪景色、下山後は氷瀑と温泉!といった感じです。
それでは、くわしくご紹介していきます!
※僕の登山ブログをお読みいただく上でのご注意 → こちらからお読みください。
このブログ記事で触れる場所を簡単にGoogleMapにマークしてありますので、ご参照ください。
乗鞍高原の魅力をご紹介
乗鞍高原とは
乗鞍高原は長野県松本市にある高原で、北アルプス乗鞍岳(標高3026m)の裾野に位置します。
乗鞍高原、乗鞍岳ともに、中部山岳国立公園の一部となっています。
中部山岳国立公園は、長野県、岐阜県、富山県、新潟県にまたがる飛騨山脈(北アルプス)を中心とした広大な国立公園です。
乗鞍高原の魅力をご紹介
乗鞍岳をご紹介
夏の乗鞍岳
乗鞍岳は北アルプスの山であり、標高3026mです。
深田久弥によって選定された日本百名山でもあります。
乗鞍岳は、雷鳥の生息地になっています。
夏の話しになりますが、乗鞍岳は、標高3000mを越える山の中では最も登りやすい山の部類です。(要登山装備です。)
登山口となる畳平(標高2702m)には、畳平バスターミナルがあり、日本一高い場所にあるバスターミナルです。
畳平バスターミナルから標高3026mの乗鞍岳山頂までは、標高差わずか324mです。
乗鞍岳は、標高3000mを越える山の中では、登山口から山頂まで、もっとも標高差が少ないと言われています。
バス(アルピコ交通)は長野県側からは、乗鞍高原観光センター~乗鞍畳平の路線で運航されています(所要時間約50分)。
ちなみに、観光センターと畳平を結ぶ乗鞍エコーライン(長野県道84号乗鞍岳線)は自然保護のためマイカー規制が行われています。(岐阜県側もマイカー規制が行われています。)
長野県側は、三本滝から先はマイカーで入ることはできません。
夏の乗鞍岳登山についてまとめると、乗鞍高原観光センターの駐車場にマイカーを駐車、バスで畳平バスターミナルまで行きます。畳平からは、わずか324mほどを登れば360°大パノラマの北アルプスの3000m級の山頂に立つことができるということになります。
※バスを利用しない登山ルートもあります。
乗鞍エコーラインは、『日本有数のヒルクライムの聖地』とも呼ばれ、8月下旬には乗鞍ヒルクライム(登りオンリーの自転車レース)が開催されています。
冬の乗鞍岳
冬の乗鞍岳の魅力をざっと言うと、アクセス良し、日帰り登山が一般的、目の前に広がる大雪原、白い羽の雷鳥、シュカブラ(風雪紋)、エビの尻尾(樹氷)などなどを見ることができる。といった感じです。
夏は最も登りやすい3000m級の山とも言われる乗鞍岳は、冬も登りやすい3000m級の山だと思います。
※登りやすいとはいえ、完全雪山登山装備が必要です。また、雪崩、滑落、低体温症のリスクがあります。
冬の期間、北アルプスの山々は10kmを超える林道を歩いて登山口に向かうのが一般的です。
夏の間は車で通れる林道も、冬は凍結・積雪のため、ほとんどが冬季通行止めとなります。
乗鞍岳は、Mt.乗鞍スノーリゾートのゲレンデを登るところから登山を開始するのが一般的なので、長い林道歩きがありません。
また、行程自体も他の北アルプス3000m級の山々に比べれば短く、冬の乗鞍岳は日帰り登山が一般的です。(位ヶ原山荘に宿泊する方や、ツアーコース周辺(スキー場管轄外)やトイレ小屋近くで幕営する方もいます。)
乗鞍岳では、バックカントリースキー・スノーボードが盛んで、12月から6月頃まで滑ることができます。
もちろん、スノーシューも存分に楽しむことができます。
ちなみに、乗鞍高原までの車の運転も、他の北アルプスの山々へのアプローチに比べれば、運転しやすいです。(スタッドレスタイヤまたはチェーンなど、雪道対策が必要です。)
詳細は後述しています。
ハイマツ帯で丸まった雷鳥
氷りの世界に生きる雷鳥
乗鞍岳山頂剣ヶ峰の山頂標のエビのしっぽ(樹氷)
肩の小屋の近くで撮影したエビのしっぽ(樹氷)
乗鞍岳山頂剣ヶ峰の乗鞍本宮頂上本社の鳥居のエビのしっぽ(樹氷)
鳥居のエビのしっぽは、X(旧ツイッター)で、9000近い『いいね』をいただき、過去一バズり、ネットニュースにも取り上げていただきました。
くわしくは、こちらの『樹氷(エビの尻尾)の写真集【雪山登山の風物詩】』でブログ投稿をしています。
シュカブラ(風雪紋)
乗鞍岳の斜面のシュカブラ(風雪紋)。スプーンでくりぬいたように見えるので、スプーンカットとも呼ばれます。
乗鞍岳の稜線から撮影した山頂の剣ヶ峰
バックカントリーのツアーコース(Mt.乗鞍スノーリゾートの管轄外=ゲレンデ外)
『冬の乗鞍岳登山のポイント』を、こちらでブログ投稿をしています。
乗鞍高原の魅力をご紹介
アクセスの良さ
冬の乗鞍高原の魅力の一つは、市街地からのアクセスの良さだと思っています。
乗鞍高原までは、長野自動車道の松本インターから、車で1時間ほどで行くことができます。
(松本駅からは車で1時間15分ほどです。Google Map調べ)
平地から3000m級の雪山の麓までのアクセスとしては、屈指のアクセスの良さではないでしょうか。
乗鞍高原は人々が暮らしている地域でもあるので、道路に積もった雪は基本的には除雪がされます。
また、塩カルの散布などもされており、他の北アルプスの山々へのアプローチと比べて、車の運転もしやすいと思います。
乗鞍高原の魅力をご紹介
温泉・温泉宿
乗鞍の温泉と言えば、乳白色の硫黄泉です。
乗鞍高原には複数の温泉が湧出しており、一帯は『のりくら温泉郷』と呼ばれ、多数の温泉宿があります。
雪景色を眺めながら入浴をすることができる施設もあります。
のりくら温泉郷は、 乗鞍高原温泉、 すずらん温泉、 安曇乗鞍温泉の乗鞍三湯からなっています。
詳細は『のりくら温泉郷』のホームぺージでご確認ください。
日帰り入力施設では、『湯けむり館』が有名どころかと思います。
露天風呂からは、乗鞍岳を眺めることができます。
無料で入浴できる露天風呂『せせらぎの湯』もあります。(※開放期間は4月末から11月3週目までです。事前にご確認ください。)
また、乗鞍高原からは車で15分ほどで白骨温泉に行くことができます。
白骨温泉の湯は、『白骨の湯に三日入ると三年は風邪をひかない』と言われていたようです。
乗鞍高原の魅力をご紹介
Mt.乗鞍スノーリゾート
Mt.乗鞍スノーリゾートは、標高が高い場所(1500m~2000mに位置)にあり、気温が低いという要素から、パウダースノーが評判なようです。(僕は登山専門で、スキー・スノーボードはしませんので見聞きしたことになります。)
※Mt.乗鞍スノーリゾートの雪質は、パウダースノーよりも質が良いとされるアスピリンスノーと言われることもあるようです。アスピリン(薬)の結晶のような、ひとつひとつの粒が小さい、さらさらした雪をそう呼ぶようです。
Mt.乗鞍スノーリゾートのマスコットキャラは『さんぞくっく』
名前の由来はご当地グルメ『山賊バーガー』です。
Mt.乗鞍スノーリゾートのゲレンデ内にある三本滝レストハウス
Mt.乗鞍スノーリゾートの最上部ゲレンデ
Mt.乗鞍スノーリゾートのゲレンデの向こうに乗鞍岳(右側の山塊の一番高い所が山頂の剣ヶ峰です。)
Mt.乗鞍スノーリゾートは、経営難のため、2024-2025シーズンの営業を断念するとの発表が一度されました。
この発表を受け、地元の有志を中心に支援活動が行われ、営業継続がされる運びとなりました。
くわしくは、こちらの『マウント乗鞍スノーリゾート(スキー場)存続に向けた支援活動の周知(2024年営業断念→営業決定)』でブログ投稿をしています。
がんばろう乗鞍!
乗鞍高原の魅力をご紹介
氷瀑となる善五郎の滝
スキー場近くには、善五郎の滝(落差21.5m、幅8m)があり、厳冬期には滝が凍り付き、荘厳な氷瀑となります。
厳冬期の善五郎の滝はアイスクライミングのスポットとなります。
※スキー場沿いの道路に駐車場があり、駐車場から滝までは歩いて500mほどです。(軽アイゼンがあった方が良いです。)
凍り付いた善五郎の滝
氷瀑となった善五郎の滝の全景
乗鞍高原の魅力をご紹介
ごはん処
軽食喫茶 アビーロード Abbey Road
僕も何度か食事をさせていただいたお店で、どのメニューも基本、ボリュームがあります。
個人的にはソースカツ丼がボリューム満点で好きなメニューです。
ベランダでは、ペットと一緒にお食事ができます。
アビー・ロードは、イギリスのロンドンにある道路の名前で、ビートルズの名アルバムのタイトルになっています。
アルバムのジャケット写真はアビー・ロードの横断歩道で撮影されています。
ビートルズの4人が一列で横断歩道を渡っている写真は、どなたも一度は見たことがあるのでは?
店名の由来はお聞きしたことはありませんが、マスターがビートルズ好きなのかもしれません。
乗鞍高原の魅力をご紹介
夏のキャンプ場
乗鞍BASE (いがやレクリエーションランド)
体験型のアクティビティーとキャンプサイトが設された山遊びの前線基地!
車を乗り入れて、車の横にテントを設営するオートキャンプサイトと、車中泊専用のキャンピングカーサイトがあります。
まとめ
以上、『冬の北アルプス乗鞍岳登山(乗鞍高原)の魅力をご紹介』ということで、山トークをしてきました。
・乗鞍高原とは
・乗鞍岳をご紹介
・アクセスの良さ
・温泉・温泉宿
・Mt.乗鞍スノーリゾート
・氷瀑となる善五郎の滝
ごはん処
夏のキャンプ場
乗鞍岳(乗鞍高原)は、北アルプス3000m級の中でも格段にアクセスが良く、大雪原と雪山ならではの景色を眺めることができます。
白銀の世界に、エビのしっぽ、シュカブラ、真っ白な雷鳥などなどを見ることができます。
下山後に余裕があれば、荘厳な氷瀑(善五郎の滝)を眺め、その後は、乗鞍岳を眺めながら乳白色の温泉へ。
ぜひ、冬の乗鞍岳登山、上質のパウダースノー(Mt.乗鞍スノーリゾート)と温泉を、乗鞍高原で満喫してください!
それではまた、次の山トークでお会いしましょう!
『冬の乗鞍岳登山(剣ヶ峰)のポイント』について、こちらでブログ投稿をしています。
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ゲレンデ、駐車場に隣接、日帰り入浴可です。
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※夏の登山ルートと冬の登山ルートは異なります。『山と高原地図』には冬ルートは明記されていません。
『冬の乗鞍岳登山について書いた記事』を、こちらで一覧にしています。 『冬山登山のノウハウ【北アルプス3000m級の雪山登山の経験から】』を、こちらでブログ投稿しています。