松本市の山男です。
今回は、『春の山の登山で注意すべきこと・知っておくべきこと』について、山トークをしていきます。
主に、北アルプスの標高2500メートル以上の山についての話になりますが、低山での登山にも通じる話になります。
春の山の登山で知っておくべきこと 【主に北アルプス登山】
①春の北アルプスについて(3月~5月)
②冬季通行止めの解除(登山口に続く林道)
③アイゼン・ピッケルはいつまで必要か
④情報収集結果は参考までにとどめる
⑤浮き石、落石に要注意
⑥ルートが不明瞭な場合あり
⑦朝晩の気温は氷点下になることも
⑧登山に体を慣らす必要あり
それでは、それぞれについて詳しく山トークをしていきます。
※僕の登山ブログをお読みいただく上でのご注意 → こちらからお読みください。
春の山の登山で注意すべきこと・知っておくべきこと
春の北アルプスについて(3月~5月)
『ゴールデンウィークの北アルプスは雪山です。』
登山者に注意喚起をする、登山口に貼られていたポスターに以前に書かれていたフレーズです。
標高2500mを超える北アルプスは、3月~5月と言えども、残雪があり、アイゼン、ピッケルが必要です。
さらに、残雪どころか、まだまだ雪が降ります。
僕自身、ゴールデンウィークに槍ヶ岳に登った際に吹雪に見舞われたことがあります。
また、4月30日の燕岳登山では、前日に降った新雪をラッセルして登ったこともあります。(膝までの積雪がある中でのラッセルでした。)
ゴールデンウィークの北アルプスは、本当に雪山です。
春の山の登山で注意すべきこと・知っておくべきこと②
冬季通行止めの解除(登山口に続く林道)
春になると、北アルプスの登山口まで続く林道(車で入れる道)の冬季通行止めが解除され始めます。
蝶ヶ岳の登山口の三股に続く林道(林道烏川線)や、燕岳の登山口の中房温泉に続く林道(一般県道槍ヶ岳矢村線)は、例年3月下旬から4月下旬に冬季通行止めが解除されます。
そして、通行止めの解除と同時に、登山者が一気に増えます。(冬に雪山登山をしている登山者が多数です。)
ちなみに、冬季通行止め中に登山をする場合は、蝶ヶ岳、燕岳ともに約10キロの林道を歩くことになります。
※冬季通行止め期間は、道路を管轄する自治体のホームページでご確認ください。
春の山の登山で注意すべきこと・知っておくべきこと③
アイゼン・ピッケルはいつまで必要か
あくまでも僕の経験上の感覚です。
5月:絶対にアイゼン・ピッケルが必要。
6月:チェーンスパイクとピッケルでなんとかなる場合が多い。
※アイゼンが必要な場合もあります。
7月:残雪があったとしても、チェーンスパイクでなんとかなる場合が多い。
真冬の降雪量により、毎年毎年コンディション(5月、6月の登山道の積雪量)は変わります。
春の山の登山で注意すべきこと・知っておくべきこと④
情報収集結果は参考までにとどめる
登山道のコンディションの受け止め方、感じ方は人それぞれです。
また、登山者自身の力量により、雪などへの対策は異なってきます。
山小屋への問い合わせをしたり、山レコなどの直近の登山レポートで、ある程度の登山道の状況を確認することはできますが、登山道には残雪があるものと考え、アイゼン、ピッケルの携行を検討した方が良いです。
また、登山道のコンディションは刻々と変化します。
昨日、見聞きした登山道の状況が、今日になったら変わっているということが起こりえます。
春の山の登山で注意すべきこと・知っておくべきこと⑤
浮き石、落石に要注意
真冬の登山道は雪に覆われます。
何百キロ(場所によっては数トン)もの重みが登山道、岩、石の上にかかります。
真冬や、雪解けの時期に雪崩があれば、木がなぎ倒され、岩が動かされることもあります。
雪解けの水により登山道が削られ、その上にある岩や石が不安定な状態になっていることがあります。
降雪〜雪解けにより、登山道のコンディションは、毎年毎年、大きく変わります。
春の山では、落石、浮石に特に注意が必要です。
春の山の登山で注意すべきこと・知っておくべきこと⑥
ルートが不明瞭な場合あり
春の山は、まだ登山者がそれほど入っていない場合が多く、登山道が踏み込まれていません。
なので、登山ルートが不明瞭な箇所がある場合があります。
春の山の登山で注意すべきこと・知っておくべきこと⑦
朝晩の気温は氷点下になることも
登山をする以上、アクシデントにより、山の中でビバーク(野宿)をすることになる可能性を常に考える必要があります。
松本市の4月の最低気温の平均は、4.4度です。
平地で4.4度ということは、標高の高い山では氷点下になることも大いにあります。
というか、3月、4月は氷点下になることがザラです。
そんな条件下で、ビバークせざるを得なくなる状況になることを想定した登山装備を携行する必要があります。(日帰り登山であっても。)
春の山の登山で注意すべきこと・知っておくべきこと⑧
登山に体を慣らす必要あり
冬山登山をしていない場合、春の山の登山は、体が山に慣れていない状態で臨むことになります。
登山では、標高ひとつとっても、平地よりも厳しい環境に身を置くことになり、体に負荷がかかります。
いきなり長い行程の登山に臨んだり、ハイペースで登山をするのは避け、登山回数を重ねるごとに行程をのばし、登山ペースを上げていくようにするのが良いです。
まとめ
以上、『春の山の登山で注意すべきこと・知っておくべきこと』について、山トークしてきました。
①春の北アルプスについて(3月~5月)
②冬季通行止めの解除(登山口に続く林道)
③アイゼン・ピッケルはいつまで必要か
④情報収集結果は参考までにとどめる
⑤浮き石、落石に要注意
⑥ルートが不明瞭な場合あり
⑦朝晩の気温は氷点下になることも
⑧登山に体を慣らす必要あり
標高が低い山であれば、春になると無雪期登山を満喫することができますが、平地は春でも、北アルプスはまだ冬です。
それではまた、次の山トークでお会いしましょう!
立山連峰の山小屋が舞台のお話しです。
春を背負って DVD 松山ケンイチ、蒼井優
春を背負って (文春文庫) 笹本 稜平
『日帰り登山のノウハウ』をこちらでブログ投稿しています。日本百名山の完登、毎週末の北アルプス登山で身に着けたノウハウになります。
『僕の登山装備(登山ウェア含む)』をこちらで一覧で紹介しています。お問い合わせいただくことが多いので。