松本市の山男です。
今回は、『遭難は迷惑で税金の無駄遣いなのか?』ということで、山トークをしていきます。
結論から言うと、『山岳遭難が迷惑で税金の無駄遣いだとするならば、山岳遭難だけが非難されるのはおかしい』と僕は思っています。
その理由について、山トークをしていきます。
※絶対に遭難をしないという意識を持つこと、万全の登山準備をし、無謀な登山をしないということが、今回の山トークの前提です。
山岳遭難は迷惑で税金の無駄遣いなのか?
①遭難する登山者の種類
②救助者も登山の魅力を知っている
③遭難救助をする方は命懸けであると言うことについて
④救助に向かう人のことを考えて、登山をしなければ良いのか
⑤税金が使われるものと公的に対応がされるもの
まとめ
山岳遭難は迷惑で税金の無駄遣いなのか?①
遭難する登山者の種類
遭難をする登山者と言っても、いくつかの種類の人がいると思います。
救助にあたる方々からすれば、遭難者の種類によって、救助活動の際に抱く感情も異なってくると思います。
遭難する登山者の種類
①装備が万全で経験も豊富、天気の良い日に登山をしていた登山者
②経験の浅い登山者
③知識も装備も不十分な登山者
④スキー場の滑走禁止エリアで遭難するなど、禁止行為をした結果、遭難する登山者
僕は救助をする側になったことがないので、感覚がずれているかもしれませんが、僕が救助をする側になったとしたら、こう思うんじゃないかと思います。
『①装備が万全で経験も豊富、天気の良い日に登山をしていた登山者』が遭難したら
何としても救助せねば
『②経験の浅い登山者』が遭難したら
何としても救助せねば
『③知識も装備も不十分な登山者』が遭難したら
「山を舐めるな!」と叱責(教育)せねば。
『④スキー場の滑走禁止エリアで遭難するなど、禁止行為をした結果、遭難する登山者』が遭難したら
何で、ルールを破る奴らを助けに行かなきゃならんのよ。見つけたらタダじゃ済まさん!
もし、僕が救助をする側の人間になったとしたら、遭難する人をだいたい、こんな感じで分類し、それぞれに、こんな感じの感情を抱くのではないかなと思います。
山岳遭難は迷惑で税金の無駄遣いなのか?②
救助者も登山の魅力を知っている
山岳救助隊に当たるのは、山岳警備隊(警察)と山岳遭難防止対策協会(遭対協)、山小屋の方が主になると思います。
僕の推測にはなりますが、山岳救助にあたる方々は、山の魅力、登山の魅力を知っている方が大半ではないかと思います。
泳いだことがない人がライフセイバーに配置されないのと同じで、登山をしたことがない人が、山岳救助をする訳がありません。
登山をしたことがある人であれば、必ず登山の魅力を知ることになります。(中には登山が嫌いな人もいるとは思いますが。)
そして、登山の魅力を知っている人が、救助をする側になるというのが大半だと思います。
救助をする側の方々は、登る人の気持ち、なぜ山に登るのか、がわかっていると思います。
なので、真摯に登山をしている登山者が遭難し、救助にあたるときは、負の感情だけを抱いて救助にあたることはないのではないかと思います。
山岳遭難は迷惑で税金の無駄遣いなのか?③
遭難救助をする方は命懸けであると言うことについて
山岳遭難が発生すると、『危険に身をさらして救助に向かう人の立場になって考えてみろ。』といったコメントを見聞きすることがあります。
救助にあたる方の二次遭難のリスクがありますし、これまでに実際に二次遭難で命を落とされた方もいます。
コメントをする方の言いたいことは十分にわかりますが、命懸けでことにあたるのは、山岳遭難に限ったことではないと思います。
犯罪に立ち向かう警察官、消火活動に臨む消防士、水難救助隊の方など。
登山者だけが、『危険に身をさらして救助に向かう人の立場になって考えてみろ。』と言われるのはおかしいのではないかと思います。
山岳遭難は迷惑で税金の無駄遣いなのか?④
救助に向かう人のことを考えて、登山をしなければ良いのか
『危険に身をさらして救助に向かう人の立場になって考えてみろ。』ということで、それでは、誰も登山をし無くなればそれでよいのか?
誰も登山をしなくなれば、山小屋は経営が成り立たなくなります。
登山用品のみを作るメーカーは経営が成り立たなくなります。
山岳雑誌、山岳書籍を出版する会社も登山カテゴリーから撤退をすることになります。
山岳救助隊、遭対協、山岳会は解散となります。
何百年も、千年以上も前から、登山は、日本だけでなく、世界的に行われています。
登るのは、人類の、人間の本能であると言っても良いのではないかと思います。
登山をしない(登山を禁止する)というのは、現実的にみて、無理だと思います。
『雪山登山は禁止できるのか?』について、僕の考えをこちらにブログ投稿しています。
山岳遭難は迷惑で税金の無駄遣いなのか?⑤
税金が使われるものと公的に対応がされるもの
登山と同じような形で、税金が使われ公的に対応がされるものには以下のものがあるかと思います。
・犯罪捜査
・交通事故の救助、処理対応の一部
・火事の消化
・水難事故の救助
登山の遭難が、迷惑だ、税金の無駄遣いだと言われるのであれば、上記の当事者も同じように非難されるべきかと思います。
犯罪者、事故を起こした人、火事を起こした人、水難救助をしてもらった人。
税金が使われ、公的に対応がされるものというのは、社会的に必要経費ということであり、山岳遭難への対応も、必要経費のひとつということだと思います。
まとめ
以上、『山岳遭難は迷惑で税金の無駄遣いなのか?』ということで、山トークをしてきました。
①遭難する登山者の種類
②救助者も登山の魅力を知っている
③遭難救助をする方は命懸けであると言うことについて
④救助に向かう人のことを考えて、登山をしなければ良いのか
⑤税金が使われるものと公的に対応がされるもの
自然を相手にする登山では、誰もが遭難をする可能性があります。
そのことを常に意識し、装備と体の準備を整え、無謀な登山はしないことが重要です。
しかし、それでも遭難をしてしまうことがあるのが登山です。
今は、ココヘリなどで遭難対策をすることもできます。
『ココヘリ』については、こちらでブログ投稿をしています。
遭難をしてしまった時に、登山者だけが、迷惑だ、税金の無駄遣いだと言われるのはおかしいと思います。
ただ、救助は命懸けであるということと、多額の税金が使われる場合があるというのも事実です。
遭難をしてしまった時に、非難をされない登山をすることが重要だと思います。
それでは、また次の山トークでお会いしましょう!!
『遭難をした場合に怒られる&非難される登山者』について、こちらでブログ投稿をしています。
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『日帰り登山のノウハウ』をこちらでブログ投稿しています。日本百名山の完登、毎週末の北アルプス登山で身に着けたノウハウになります。
『僕の登山装備(登山ウェア含む)』をこちらで一覧で紹介しています。お問い合わせいただくことが多いので。
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