2017年8月4日に幌尻岳(ぽろしりだけ)を日帰り登山済
標高2052m
北海道の山
登山ルート
林道第二ゲートからの日帰りピストン
メモ:渡渉あり。要バスの予約。ヒグマ注意。
北海道の百名山日帰りの最難関?
駐車場(とよぬか山荘)
20台以上 トイレ無し(シャトルバス発車直前はぬかびら山荘のトイレ使用可)
※ぬかびら山荘は夜間施錠されていました。
※シャトルバス運転手でないと開錠できないと思われます。
※ぬかびら山荘宿泊者は夜間は軟禁状態だと思われます 笑。
※駐車台数は実際にカウントしたわけではないので大きく異なっている可能性あり。
※駐車台数は10台前後、20台以上、50台以上で分類。
※トイレの使用可否は未確認の場合あり。
登山前の詳細メモ(2017年4月時点の情報)
・幌尻岳の登山開始地点まで続く糠平・幌尻林道は一般車両の乗り入れが禁止。
・とよぬか山荘発着のシャトルバス(完全予約制)を使用することとなる。
・バスは事前に電話で予約をする必要がある。
・バスの運行区間は、とよぬか山荘~第二ゲートで、乗車料金は往復4000円。
・日帰り登山では、往路は、とよぬか山荘を午前3時発(第二ゲート4時着)、復路は、第二ゲートを17時発のバスを利用することとなる。
・バスの時間を考慮すると山での行動可能時間は13時間。
・幌尻岳のコースタイムは、往路8時間50分で復路7時間20分。合計で16時間10分。
・いつもどおりの山行ができれば、余裕で日帰りができるコースタイム。
・戸蔦別(とったべつ)岳経由での下山も視野に入れる。
(幌尻山荘~幌尻岳~戸蔦別岳~幌尻山荘の周回)
・登山口から幌尻山荘の間には渡渉箇所が15ヶ所ほどあり、川の水量が多いため沢登り装備が推奨されている。
・特に降雨後の増水には注意が必要であり、天気を見計らって登山日を決める必要がある。
(渡渉地点より山頂側にいるときに増水があった場合には帰れなくなる可能性あり)
・渡渉地点には赤テープ・赤ペンキなどの目印があるようだが、経年劣化により見落としやすくなっている模様。
・ヒグマの生息域であるため熊スプレーを携行する。
『実際に幌尻岳登山をしてみて感じたポイント』について、こちらでブログ投稿をしています。
北海道の百名山9座のうちで日帰りが最も困難と言われる幌尻岳。
初めて本格的な渡渉を経験しました。
幌尻岳登山のルートとして選んだ振内(ふれない)コースは、道中で15回ほど糠平川(ぬかびらがわ)を渡渉することになります。
幌尻岳に限らず、山中の川は雨が降ると急激に増水することがあるので、幌尻岳登山だけは何としても降水確率が0に近い日にしようと思っていました。
万が一、降雨による増水があった場合、渡渉は極めて危険であり、水位が減るまでの停滞を検討する必要があります。
(実際に僕が登山をした後日の8月下旬に、増水による重大事故が発生してしまいました。)
事前リサーチのとおり、前日にとよぬか山荘にシャトルバス乗車の予約をし、午前3時にとよぬか山荘を出発するバスに乗りました。
午前4時ごろにシャトルバス終点(シャトルバス待合室)に到着しました。
平日ということもあってか、シャトルバスには僕の他に1組のグループ(3名)が乗車しただけでした。
ちなみに帰りのシャトルバスは11時か17時のみ。
帯に短し、たすきに超・長しの時間設定です・・・。
幌尻岳はヒグマがよく出ると言われている山域です。
シャトルバスの運転手さんがとても良い方で、色々と教えてくださいましたが、
「うちの社長が今年に入って4回見ている。」
と言われていました。
どこで見たのかという重要なことを聞き忘れてしまいましたが・・・、気を引き締めて林道へと歩を進めました。
日高山脈襟裳国定公園
序盤の川の水量を見て、「渡渉もたいしたことは無さそうだ。」と思っていましたが・・・。
上流に行けば行くほど水量が減るのが道理だろうと思っておりました・・・。
渡渉注意の看板。
やはり、増水時は引き返すように書かれています。
渡渉開始地点で糠平川の増水が判明して引き返す分には問題ありませんが、困るのは、渡渉地点を越えて、その先に居る時に雨のため増水したり、最悪なのは渡渉地点の真っただ中に居る時に増水するケースです。
幌尻山荘方向を示す看板。特に分岐では無かったような気がします。
先へと進むと、北海道電力の取水施設が・・・。
どうやら、ここで下流に流す水の量を調整しているようで、ここより上流は水量が大幅に増していました・・・。
取水施設から幌尻山荘までは約4kmのようです。
確実に、下流よりも上流の方が増水しております・・・。
沢沿いの鎖場。
濡れていたとしたら嫌な感じです。
復路ではソールが濡れた靴で通過することになりそうです・・・。
(沢靴を持っていないので最初から最後までトレランシューズでの登山でした。)
登山道はしばらくは川岸を進みますが、だんだんと川幅が広がり、水深も深くなってきました・・・。
渡渉注意の看板。
川幅がかなり広くなりました・・・。
ついに本格的な渡渉が始まります。
※渡渉をしてみての感想は最後にまとめて記しています。
中央上に目印のピンクテープがあるのがかすかにわかります。
(こちら側からピンクテープまで川の中を進むことになります。)
今までの登山で経験してきた渡渉は、木橋を渡ったり、川の中にある飛び石の上を歩いたりで、
登山靴が完全に浸水する渡渉を経験したことはありませんでした。
渡渉は地図にあったとおり15回ほどあり、水深は膝くらいまでありました。
ルートを示すと思われる「○で囲まれたヒ」の文字。日高のヒなんでしょうか?
深いところは頭まで沈みそうな深さでした。
さすがに、渡渉箇所ではありませんが、足が届かない水深に恐怖を感じる僕にとっては、近くにあるだけでヒヤヒヤします。
最も長く水の中を歩いたと記憶している渡渉地点。
左下から右上に向かい、水の中を斜めに進みました。
幌尻山荘に到着。この先は渡渉はありません。
山荘の直前まで渡渉が続いていたように記憶しています。
ここまでの道中では2~3組とすれ違っただけだったと思います。
幌尻岳山荘の前には水場(蛇口)がありましたが、煮沸せずに飲んでよいのかわからなかったので口はつけませんでした。
(北海道の山中の生水を飲むと、危険な感染症であるエキノコックスに感染する可能性があります。)
ひと気の無い山荘を後に、登山道を進みます。
雄大な稜線が見えてきました。
命ノ水(水場)
幌尻山荘からの登山道を稜線近くまで登ったところにありました。
登山道から少し外れたところにある感じだったのでスルーしました。
右側のピークが戸蔦別岳(とったべつだけ)です。
登山道上からは、幌尻岳よりも戸蔦別岳の方が見応えがありました。
命ノ水からはハイマツに覆われた稜線上の登山道を歩きました。
幌尻岳の山頂方向。貫禄があります。
こうしてみると、どこが山頂だったのかわかりません・・・。
稜線上には花々が咲き乱れていました。
本当は復路でゆっくりと花の写真を撮ろうと思っていましたが、成り行きで戸蔦別岳まで登り、戸蔦別岳から幌尻山荘に下山したので、花の写真をしっかり撮れませんでした・・・。
やはり、幌尻岳山頂よりも戸蔦別岳に目が行きます。
幌尻岳の山頂方向。
手前のカールが北カールと言われるようです。
幌尻岳山頂までは、緑と花々に囲まれた気持ちの良い稜線歩きでした。
右手前が幌尻岳山頂方向で左のピークが戸蔦別岳です。
幌尻岳と戸蔦別岳は、北アルプスの大キレットのような感じで結ばれていました。
歩いてきた登山道を振り返って撮影。
幌尻岳山頂に到着。
バスを降りてから約4時間で山頂に着きました。
北海道の百名山で日帰り最難関と言われる幌尻岳ですが、渡渉にさえ対応することができれば、
槍ヶ岳(新穂高ルート)、剱岳(早月尾根ルート)、甲斐駒ヶ岳(黒戸尾根ルート)などと、同レベル、もしくは少し楽なように感じました。
山頂記念写真
幌尻岳登山は、百名山登山の中で、最も不安であり、最も楽しみであった山行のひとつで、北海道登山の中では主役級でした。
地元長野県からは物理的に遠く、慣れない渡渉などもあり気持ち的にも遠かった山頂なので感無量でした。
山頂には4~5組の登山者がおり、
僕が山頂に着くと「あなた誰?」的な空気が流れました・・・。
やはり、幌尻岳は日帰りでは無く、幌尻山荘に宿泊する行程が一般的なようです。
始発のバスに乗り、バスを降りてから4時間で山頂まで着いたと説明すると、
みなさんしばらく「・・・・」となり、その後、質問攻めに合ってしまいました。
この日、幌尻岳の山頂に登った登山者は7~8組ほどだと思いますが、全員、前日に幌尻山荘に泊まっているので、完全に打ち解けており、連帯感がありました。
幌尻山荘はそれほど広くなく、稜線などと違い暇を持て余すような場所にあるので、自然と話に花が咲くのだと思います。
そんなわけで、みなさん打ち解けていたのだと思います。
僕も、色々と質問に答えているうちにその輪の中に入ることができました。
下山時も随所で再び顔を合わせることになります。
山頂からピストンで下山するか、戸蔦別岳経由で下山するか迷いましたが、せっかくなので戸蔦別岳まで行くことにしました。
この時は甘く見ていましたが、戸蔦別岳経由で幌尻山荘に向かうルートは、百名山登山の中で最も焦ったルートです・・・。
幌尻岳から戸蔦別岳へと続く稜線。
右側に七ッ沼カールが写っています。
七ッ沼カールは、山と高原地図にテント場マークが記載されていますが、同時にヒグマ出没に注意とも記載されています・・・。よいのでしょうか・・・汗
僕のような小心者には生きた心地のしないテント場です。
(小屋などの避難できる建物はありません。何も無いさら地にテントを張るだけのテント場です。)
それにしても緑が綺麗で、形が美しい稜線です。
緑が綺麗なのは良いのですが、登山道がハイマツによって完全に覆われていました・・・。
写真は歩いていく登山道方向です・・・。
歩いてきた幌尻岳方向を振り返っても、登山道はハイマツに覆われています。
踏み跡はしっかりしていましたが、百名山登山でナンバー1のハイマツ地帯でした。
幌尻岳と戸蔦別岳のちょうど中間あたりにある「肩」と呼ばれる付近だと思います。
ほとんど断崖に登山道があったので通過するのに少し神経を使いました。
危険地帯も相変わらずのハイマツ漕ぎでした。
七ッ沼が目の前になりました。
注視するもヒグマはおらず。
高低差もあり、ある程度の距離が離れていたので見てみたい気持ちもありました。
幌尻岳がだいぶ離れました。
おそらく、右奥のピークが山頂だったのではないかなと思います。
幌尻岳が離れ、
戸蔦別岳が近づいてきました。
見応えがあったので、何度も幌尻岳方向を振り返りました。
戸蔦別岳山頂を目指して進みます。
何度も幌尻岳方向を振り返ります。
緑が綺麗ではありますが、相変わらずハイマツをかき分ける登山道が続きます・・・。
何度も何度も幌尻岳方向を振り返ります 笑
ここまで離れると山頂と北カールもよくわかります。
見る分には素晴らしい光景ですが、万が一、引き返さなければならない状況に陥った場合、なかなかの距離があるということに気が付き始めました・・・。
しかも、ハイマツをかき分けて戻らねばなりません。
戸蔦別岳山頂への最後の登り。
戸蔦別岳山頂に到着。
戸蔦別岳からの幌尻岳。(実は山頂よりも少し手前で撮影。)
戸蔦別岳までは、写真に写っている稜線(幌尻岳山頂含む)を右側からぐるっと周ってきた感じです。
戸蔦別岳山頂を後に幌尻山荘へと歩を進めましたが、何となく不安が募るルートでした。
登山者にあまり踏まれていない感じの登山道、ヒグマの出没地帯、トラブルにより来た道を戻るとなるとハイマツをかき分けながらの長丁場になる、進む方向もハイマツに覆われがちな不明瞭な登山道、などなど、不安が募る様々な要素がありました。
そして、極め付けだったのがこの看板です。
正面に登山道があるのですが、その登山道がどこに続くのかが看板に書かれていませんでした。
地図からして、恐らく、その登山道が幌尻山荘に向かうと思われましたが、確証を持てずに標高を一気に下げる登山道に入るというのは非常に心細いものであり、なおかつ危険なことだと実感しました。
人が歩いた道であるということは間違いありませんでしたが、廃道である可能性があります。
万が一、幌尻山荘に向かう登山道でなかった場合、どこでそれに気が付くことができるのか、
最悪の場合、戸蔦別岳まで登り直し、さらに幌尻岳まで戻り、さらに幌尻山荘まで戻らねばなりません。
ビバーク装備はもちろん携行していますが、ヒグマ出没地帯でのビバークは絶対に避けたいところです。
看板頼りの登山をしている自分の実力不足を実感しながら、半ば、賭けのような状態で下山を開始しました。
下山開始直後に振り返って撮影した登山道。
つい先ほどまでは感動をしていた幌尻岳の山容も、とても恐ろしい山のように思えてきました・・・。
稜線からだいぶ下山をした場所にピンクテープがありました。
割と新しいように感じたので若干安心しました。
沢に出ました。
振り返る稜線方向。
戻らねばならない可能性も捨てきれていませんでした・・・。
山と高原地図には、渡渉は2、3回とありましたが、まったくもってそんな回数ではありませんでした。
膝くらいまでの水位の渡渉が10回前後あったと思います。
そして、目印があるにはありましたが、落ち着いてじっくりと探さないとわからない箇所もありました。
山頂で話した方は、戸蔦別岳から幌尻山荘間の渡渉は大したことは無いといっていましたが、
実際には大したことがありました・・・。
登山装備、登山ウェア、登山靴が色あせている(使い込まれている)登山者の言うことは、あまり当てにしない方が良いなと改めて思いました。
時々、この人は質問者を遭難させようとしてるのか?
と思えるアドバイスをしている登山者を見かけます。
「~は大したことは無い」、「全然大丈夫」、など、肯定的なアドバイスはあまり当てにしない方が良いように思います。
相手の登山歴や経験・実力を知らずして的確なアドバイスなどできるはずがありません。
幌尻岳山荘にたどり着いた時には本当に安心しました。
山荘の前の広場では、山頂でお話しした方々がピストンルートで既に下山しており、くつろいでいました。
(とりあえず、歩いてきた登山道がなかなか大変だったと猛烈アピールしておきました。)
幌尻山荘を横から撮影。
僕以外の方々は、17時のバスにちょうど乗れるタイミングで幌尻山荘を出発すると言われていましたが、僕はバスの待合室でバスを待つことにしました。
ちなみに、僕が幌尻山荘を出発したのが12時でした。
確実に、バスの待合室で2~3時間はバスを待たねばなりません・・・。
なるべくバスを待つ時間を短くしようと、できる限りゆっくりと戻りました。
足のアイシングを兼ねて水に浸かったり。
写真を撮ったり。
さすがにダイバーにも人気のカメラだけあって、水中写真も綺麗です。
☆カメラについてのブログ投稿はこちら
☆トレランシューズについてのブログ投稿はこちら
プロトレックを水中撮影。
だいぶ年季が入ってきましたが、以前に使っていたスントの時計よりもタフで頼りがいがあります。
☆プロトレックについてのブログ投稿はこちら
糠平川の水中
ケルンのカップル。
糠平川には沢山の魚がいました。
前日の幌尻山荘では、
ガイドさんがツアー客に釣った魚を焼いて振る舞っていたようです。
竿を持参の釣り好きの登山者もいて、釣りを満喫していたようです。
※魚釣りが認められているのか認められていないのかは不明です。
沢へと流れ込む滝もいくつかありました。
鳥
アイシングをしながらゆっくりと歩いたつもりでも、バスの時間まではまだ3時間近くある段階で渡渉を終え林道についてしまいました。
そして、この林道が・・・。
往路では全くいませんでしたが、復路ではアブ?の襲撃に身をさらすことになりました・・・。
山頂で話した登山者さん達が口をそろえて、前日の往路でアブに刺されてひどい目にあったと言っていました。
その時はあまり気に留めることはありませんでしたが、復路の林道に入ってその話の意味を実感することとなりました。
歩いていると、チクリとした痛みに襲われ、見てみるとその場所にアブがとまっているのです。
ちなみに、ウェアの上からでも刺して(噛んで?)きます。
本州の山でも止まっていると羽虫がたかってくることがありますが、動いていればあまりたかられることはありません。
しかしながら、幌尻岳のアブは歩いていても普通に攻撃をしてきます。
シャトルバスの運転手さんによると、人が吐く二酸化炭素に反応して集まってくるらしいとのことでした。
痛みを伴うので、アブには本当に辟易しました。
効果のほどはわかりませんが、虫よけを使えば少しは違うのではないでしょうか。
シャトルバスの待合室付近には、キツネがいました。
人間に感染すると未治療時の致死率が高いエキノコックス(寄生虫)の宿主です。
エキノコックスは、感染後に発症するまでの潜伏期間が10年前後と言われており、気が付かずに治療をしないと90%ほどの確率で死に至るとされています。
(医療知識の無い僕がネットで調べた結果なので、あてにならないかもしれません。)
人間への感染経路は口からのようですが、近づかない、触らないにこしたことはありません。
例えば、水場の水にキツネのフンなどがまぎれ、その水を人間が飲むとエキノコックスに感染する可能性があるようです。
基本的には煮沸によりエキノコックスは死滅するようです。
そのため、山と高原地図では、北海道の山中の水は要煮沸となっていることが多いのです。
ゆっくりと歩いてきましたが、15時にバスの待合室に着いてしまいました・・・。
バスが来る17時まではあと2時間・・・。
しかも、相変わらずアブが攻撃をしかけてきます・・・。
アブの攻撃を逃れることができる、待合室のありがたみを本当に実感しました。
ただ、待合室のドアを開け閉めするときに必ずといっていいほどアブが中に入ります。
そして、室内だとなぜか攻撃はしてきませんが、ブンブンと常に羽音がしており、デリケートな僕は、ストレスを感じながら2時間を過ごしました。
他の登山者さん達も、バスが来る30分から1時間前に待合室までやってきたので、山トークをしてバスがやってくるのを待ちました。
(中には、僕と同じく長野県からやってきている方がいました。)
北海道の百名山で最難関と言われる幌尻岳を日帰りしてみて感じたのは、渡渉にさえ対応できれば、それほど難易度(体力度)は高くないということです。
(渡渉にうまく対応できないと難易度が上がると思います。)
前述しましたが体力度的には、槍ヶ岳(新穂高)、剱岳(早月尾根)、甲斐駒ヶ岳(黒戸尾根)の日帰りに近いレベルだと思います。
ただ、幌尻岳は奥深い場所にあり、登山者も少ないので、そこはしっかりと意識し、気を引き締める必要があると思います。
(セルフレスキューの意識を高めて登山に臨む必要があります。)
あとは、
・降水確率が0に近い日に登る。
・沢靴を持つ。
・虫よけなどでアブ対策をする(顔だけでなく全身)。
・復路のバス時間までの時間調整は幌尻山荘でする。
・釣りが好きなら釣竿を持つ。(禁漁区なのか猟区なのかは不明。)
などが、他の山域にはあまりない、幌尻岳登山のポイントかなと思いました。
待ち焦がれていたシャトルバス(ワンボックスカー)に乗り無事にとよぬか山荘に到着。
とよぬか山荘は以前は学校だったようです。
ちなみに、とよぬか山荘の入口(中側)は施錠がされていて、シャトルバスの運転手さんがキーで開錠(午前2時30分過ぎ)するまでは中に入れませんでした。
つまり、とよぬか山荘に前泊されていた方は夜間は軟禁状態ということになると思います。
(鍵穴にカギを差し込まないと開かないタイプのドアでした。)
シャトルバスの券売機がある玄関スペースには24時間入れるようになっていました。
売店でTシャツをゲットして、帯広の宿へと向かいました。
渡渉、アブ、バスの待ち時間など、とても印象に残った幌尻岳登山でした。
看板が無かった登山道もスリル満点でした・・・。
そして、北海道の他の山域とは違う、標高のある雄大さを感じることができました。
渡渉を経験してみての感想など(本格的渡渉・沢登り未経験の素人目線)
・靴について
羊蹄山の山頂でお話しした方が、
ちょうど数日前に振内コースで幌尻岳に登ったと言われていました。
その方は、沢靴は持っていったけれど、結局使わずに渡渉をしたといわれていました。
渡渉をローカットの登山靴でしたのかハイカットの登山靴でしたのか聞きませんでしたが、
ハイカットの登山靴での渡渉は絶対に止めた方が良いと思います。
確実に登山靴に水が浸水し、相当重くなると思います。
僕はトレランシューズで渡渉をしましたが、トレランシューズですらとても重くなりました。
ちなみに、山中でお話しをした僕以外の7~8組の登山者は、全員、沢靴で渡渉をしたと言われていました。
・渡渉による濡れについて
アンダータイツの膝くらいまでが水に浸かって重くなり、膝より上は濡れていない状態なので膝から下に重りをつけて歩いているような感覚になりました。
また、渡渉後も濡れたままだったので、幌尻山荘からの登りでは体温が上昇していながらも、濡れた膝下部分から体温が逃げていくのがわかりました。
雨の登山で下着までびしょ濡れになることも良くありますが、渡渉後の濡れによる、足の重さと、体温が逃げていく様は、雨の濡れとは別物に感じました。
膝から下だけが濡れて重くなっている状態に、感覚が狂わされました。
・渡渉時の滑りについて
水中の石の上に苔?が生えているような石は非常に滑ります。
(たいていの石は滑りませんでした)
トレッキングポールは使いませんでしたが、水面に出ている石に手をかけて進んだり、万が一、滑っても転ばない方向に足を置くようにしました。
・水の勢いについて
何度か白波がたっているような場所を渡渉せざるを得ない場所がありました。
水面の上まで出ている石を手がかりにしたり、水中の石と石の間に足を入れてロックしながら進みました。
渡渉時にも三点確保が活躍することを実感しました。
・水深について
僕が登山した日は平常時の水位だったと思いますが、深いところで膝まで水につかりました。
・水温について
往路(5時~6時頃に通過)はそこそこ冷たく感じました。
復路(12時~14時頃に通過)はちょうど気持ちの良い水温でした。
実際に幌尻岳登山をしてみて感じたポイントはこちらで詳しく投稿しています。
幌尻岳の日帰り周遊登山は、日本百名山の完登で印象に残った山第2位です。
日本百名山の完登で印象に残った山第1位はこちらです。
日本百名山の完登で印象に残った山第3位はこちらです。
幌尻岳が掲載されている『山と高原地図』
※大雪山の山と高原地図に掲載されています。
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『北海道の日本百名山9座を8泊9日で登った日程と、効率的に登るために考えたこと』について、こちらでブログ投稿してます。
このホテルに宿泊しました。 (幌尻岳からトムラウシ山への移動中)
楽天トラベルにリンクしてます。
『日本百名山の100座すべての登山所要時間(登山レポート)』を、こちらで一覧にしています。
↑ 146日間で日本百名山を完登したときの登山所要時間(登山レポート)になります。
『僕の登山装備(登山ウェア含む)』を、こちらで一覧で紹介しています。お問い合わせいただくことが多いので。
僕はこの地図帳があったから、日本百名山を完登してみたいと思い、実際に完登をすることができました。
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『日本百名山登山地図帳をどのように使ったか』こちらで詳しくブログ投稿をしています。
『日帰り登山のノウハウ』を、こちらでブログ投稿しています。日本百名山の完登、毎週末の北アルプス登山で身に着けたノウハウになります。
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