悪沢岳(東岳)を2017年10月13日に日帰り登山済
畑薙第一ダムからの赤石岳と悪沢岳(東岳)の2座の周遊登山は、日本百名山の中でコースタイムが最長で、日帰り最難関と言われています。
標高3141m
静岡県の山
登山ルート
畑薙第一ダム(沼平)~椹島~赤石岳~悪沢岳(東岳)~椹島~畑薙第一ダム(沼平)の日帰り周遊登山
駐車場(畑薙ダムの沼平)
10台前後 トイレ無し
※駐車台数は実際にカウントしたわけではないので大きく異なっている可能性あり。
※駐車台数は10台前後、20台以上、50台以上で分類。
※トイレの使用可否は未確認の場合あり。
すっかり忘れていましたが、だいぶ前に畑薙第一ダムからの赤石岳・悪沢岳の日帰り登山についてメモを残してありました。
コースタイム34時間をどこから算出したか謎ですが、最終的にはコースタイムは29時間ほどであろうという認識で登山に臨みました。
——————-ここから、過去に残してあったメモ——————————–
登山前のメモ(詳細)
※CT(コースタイム)は山と高原地図のものをざっくり計算したものです。
自分が過去に行った日帰り山行で最も長丁場なものが新穂高岳~水晶岳の日帰り登山。
(往路は双六岳と三俣蓮華岳のピークを踏み、復路は三俣山荘~双六小屋は巻道を利用)
新穂高~水晶岳のCTが約26時間なのに対し、要したトータルタイムは14時間30分(休憩含む)
装備は約14kgで写真を400枚近く撮影してのタイムなので、それなりの余裕を残した状態。
畑薙第一ダム~東岳(悪沢岳)のCTは約34時間。
新穂高~水晶岳も百名山日帰り最難関レベルと言われているがCTで約8時間の差がある。
東岳(悪沢岳)の日帰り登山で特質すべきはロード(アスファルト道)の長さ。
(→実際には未舗装路が大部分でした。赤石岳・悪沢岳登山後に追記)
畑薙第一ダムから椹島(さわらじま)までの約CT5時間はロード。
復路の椹島~畑薙第一ダムのCTも約5時間であり、
往路と復路を合計すると約10時間がロードとなる。
本当に平たく言うと、新穂高~水晶岳を歩いた後に、ロードを10時間歩くイメージ。
いつもの14kgの日帰り装備では、東岳(悪沢岳)を日帰りするのは相当に困難と思われる。
(14kg装備といえども長丁場の山行では肩が受けるダメージは相当に大きい。)
おそらく、肩の痛さの余り歩くことができなくなる。
(過去2回の新穂高~水晶岳の日帰りでは相当に肩が痛くなった。)
東岳(悪沢岳)を日帰りするには、
個々の装備の軽量化と、自分では必要だと思っている装備ですらも削ることにより、軽量化を図る必要がある。
畑薙第一ダム~椹島を自転車(マウンテンバイク)でやり過ごす登山者もいるようだが、自分は自転車は使用しない。
東海フォレスト(椹島ロッジ、二軒小屋ロッジなど)に宿泊する登山者は、バスによるロッジまでの送迎があるようだが、ロッジを使用しては今回の山行のコンセプトである日帰り登山にならないので・・・。
椹島からでも二軒小屋からでもなく、
畑薙第一ダムから東岳(悪沢岳)を自分の足のみで日帰りすることに意義がある。
——————-ここまで、過去に残してあったメモ——————————
実際に歩いてみての感想を先に言ってしまうと、鷲羽岳・水晶岳の日帰りと赤石岳・悪沢岳の日帰りの登山道部分のみを比較すると、鷲羽岳・水晶岳の方がきついように思いました。
登山道部分とは、
鷲羽岳・水晶岳が、小池新道入口から小池新道入口に戻ってくるまで。
(往路は双六岳、三俣蓮華岳のピークを踏み、復路は三俣蓮華巻道を使用。)
赤石岳・悪沢岳が、椹島から椹島に戻ってくるまで。
(赤石岳~悪沢岳~千枚岳の行程で周遊。)
登山道を歩く時間、距離は鷲羽岳・水晶岳の方が長いのではないかなと思います。アップダウンも鷲羽岳・水晶岳の方が多い気がします。
また、赤石岳・悪沢岳の山と高原地図はコースタイムが長めに書かれているように思いました。
誇張して例えると、コースタイム1時間と書かれているところでも、実際には30分くらいで歩ける。といった感じです。
僕が実際に要した所要時間を見てみると、
鷲羽岳・水晶岳が14時間40分、
赤石岳・悪沢岳が16時間30分でした。
ネット上に公開されているGPSログを見ると、
鷲羽岳・水晶岳の距離が約50km。
赤石岳・悪沢岳の距離が約60kmです。
赤石岳・悪沢岳の方が所要時間は長く、距離も長いですが、きつさで言ったら鷲羽岳・水晶岳の方がきついかなと言うのが結論です。
特記事項としては、赤石岳・悪沢岳登山では畑薙ダムから椹島までの往復約32kmの林道を歩く根気が必要ということが挙げられます。
最終的に、総体的に考えると、やはり、赤石岳・悪沢岳が日本百名山日帰り難易度NO1だと思いました。
何よりも、登山に臨む上での気合が相当に必要な山行です。
(その大半は林道歩きのためのものですが・・・。)
前置きが長くなりましたが、
日本百名山日帰り最難関の赤石岳・悪沢岳。悪沢岳の山頂は格別のものがありました。
☆畑薙第一ダムから赤石岳山頂までのブログ投稿はこちら
強風吹き荒れる赤石岳山頂から、風の影響を受けない稜線の分岐下までとりあえず退却しました。
稜線上は霧雨でしたが、雨が降っているというよりは、雲が含んでいる水分が風で体に吹き付けられている感じでした。
動いてさえいれば、ソフトシェルとレインウェアの重ね着をすることにより、荒天の稜線上でも体温は維持できたので、とりあえず、悪沢岳方面に向かってみようと思いました。
稜線上が抜き差しならない状況であった場合、分岐まで戻って来た道を下山するか、とりあえず、先にある荒川小屋に避難をしようと考えました。
(荒川小屋は営業を終了しているようでしたが、冬季小屋が開放されているだろうと推測しました。)
再び稜線に突入するにあたり、熱源となるカロリーメイトを再度補給しました。
畑薙ダムを出発してから他の登山者は1人もいませんでした。
荒天の一人ぼっちの稜線なので極めてよろしくない状況です。
赤石岳山頂とは別の雷鳥に遭遇するも写真を撮っている余裕は全くなしでした。
天気が悪い日には雷鳥が姿を現すということを実感します。
小赤石岳に到着。
分岐からここまでは、赤石岳山頂に比べると雨風共に弱く感じました。
コースタイムよりもだいぶ短い時間で辿り着けたので、体力的にはこの先も問題なさそうな感触です。
問題は、悪沢岳と千枚岳の前後にある危険マーク地帯ですが、山と高原地図のコメントから雨でも何とか行けるだろうと楽観視しました。
ペンキマークが無かったら絶対に進みたくない視界の無い稜線です。
視界の無い日にはケルンが本当に心強いです。
大聖寺平
登山ルートが稜線から外れ、風の影響をそれほど受けなくなりました。
荒川小屋に到着。(写真は倉庫兼冬季小屋です。)
小屋の従業員の方が小屋締め作業をされていました。
暗闇の林道歩きから荒天の一人ぼっちの登山道。
人がいるということは本当に安心するもんです。
荒川小屋テント場の水場で水を補給。
再び荒天の稜線へ。
この荒天の状況下でルートを間違えるのは致命的なので、しっかりと道標を確認します。
荒川中岳
荒川岳は、前岳、中岳、悪沢岳(東岳)の総称で、前岳は中岳から15分ほどのところ(歩いてきた登山道とは別方向)にあったようですが、知らなかったということと、余裕が無かったことが重なりスルーしてしまいました。
中岳避難小屋に到着。とりあえずひと安心です。
小屋の中を見てみましたが誰もいませんでした。
中岳避難小屋から先は悪沢岳への登りが待っているので、百名山登山で初めてベスパハイパーを補給しました。
ここまでの百名山登山ではサプリは一切口にしてきませんでしたが、赤石岳・悪沢岳登山では他にもサプリを投入しました。
気合入れの意味もありましたが、超長丁場であるということと、林道歩きで筋肉が疲労していると考えたからです。
それから、20kmを走ってもそれほど疲労が残らない足ができているにも関わらず、20kmをウォーキングしたら翌日に筋肉痛になった経験があったので、16kmの林道歩きで疲労が溜まった筋肉に栄養を与えようと思ったのです。
ちなみに、投入したサプリはベスパハイパーとアミノバイタルです。
トレラン大会や山岳レースにおいてトップ選手も使用しています。
ベスパハイパー
楽天市場
YAHOO!ショッピング
アミノバイタル
楽天市場
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悪沢岳という名前のとおり、悪っぽい雰囲気が出てきました。
きつくはありましたが、思っていたほどは苦労せずに悪沢岳山頂に到着。
記念のガッツポーズ写真
悪沢岳またの名は荒川東岳
再びガッツポーズ
山頂看板とケルン
悪沢岳に記念のタッチ。
荒川東岳にも記念のタッチ。
まだまだ稜線歩きが続くので、しばし達成感にひたったのみで先を急ぎます。
赤っぽい岩
尖った岩
丸山
相変わらず視界の悪い稜線。
行く先のピークの雰囲気もよくわからずです。
下の方は展望が有るので、稜線だけが雲に覆われているのでしょう・・・。
見た目はなかなかな岩場の千枚岳山頂への登山道でしたが、
実際に通ってみると高度感もたいしてなく、それほどでもありませんでした。
(もちろん、細心の注意が必要です。)
ホームセンターなどで売っている一般的なハシゴのように思えましたが、しっかりと固定されていたので安心して登ることができました。
懸念していた岩場を無事に通過できました。
青空が見え始めました。
千枚岳~千枚小屋で見ることができた双耳峰は笊ヶ岳(ざるがたけ)のようです。
ツイッターでやり取りさせてもらった方に、南アルプスの展望が良い山として教えていただいた山です。
こちらから良く見えるので、あちらからもこちら南アルプスがよくみえるということを実感です。
千枚岳山頂に到着。
風も落ち着き、ここから先はほとんど下りのはずなので、少し安心です。
標高が下がり暖かさも感じるようになってきました。
稜線は相変わらずハードな状況のようです。
送迎バスの乗車条件(椹島~二軒小屋区間)。
千枚小屋の水場
千枚小屋に到着
小屋が近づいた時にやっと他の登山者さんと遭遇しました。荒天の中、緊張の稜線歩きだったので挨拶を交わしたときは本当にほっとしました。
静岡県に位置するだけあって、富士山がとても近く、大きく見えます。
小屋締めが始まる10月初旬ともなると、どこの小屋でも山Tシャツは品切れです。
記念の悪沢岳Tシャツが欲しかったですがXSかXLしか在庫がありませんでした・・・。
千枚小屋から先は気持ちの良い森でした。
人力というところに昔の人の逞しさを感じます。
夜の暗闇から霧の中を歩いてきたので、日差しが目と心に沁み入ります。
駒鳥池は緑色に見える湖面が美しい湖でしたが、
近くまで行ってもよいのかよく解らない感じでした。
陽の当たる落ち葉
綺麗な森です。
見晴台
紅葉
蕨段(わらびだん?)
初めて知りました。
場所そのものの写真を撮らず・・・。
清水平
清水平の水場
清水平を過ぎた頃からだったと思いますが、
森の中を右に大きく進んだり、左に大きく進んだりを繰り返し、登ったり下りたりも少しあったので、旧道か廃道に迷い込んだのではないかとだいぶ不安になりました。
(マークは外さずに歩いていましたが、終盤はマークがだいぶ古かったです。)
山と高原地図にも記されている滝見橋(千枚岳登山口)近くの鉄塔を通過。
吊り橋
吊り橋まで来れば滝見橋(千枚岳登山口)はももうすぐです。
(なかなかの高度感がある吊り橋でした。)
滝
千枚岳登山口(椹島)に無事に帰還。
ここからさらに16kmの林道歩きが待ち構えています。
椹島ロッジで水の補給と悪沢岳Tシャツが置いてないか見ようと思っていましたが、ロッジまでは少し下らないといけなかったのでスルーしました。
往路では暗くて見ることができなかった林道脇の風景。
赤石沢川の向こうに見えているのは赤石岳でしょうか。
下山したら晴れる良くあるパターンです。
上の写真と同じ場所に南アルプスライブカメラが設置されていたので、見えた山が南アルプスであることは間違いありません。
この場所は牛首峠というようです。
沼平ゲートから16km。
今まで見たことが無いくらいに大規模な土砂崩れ対策。
綺麗ではありますが、ダムにはなんとかく怖さを感じます。引き込まれそうというかなんというか。
新聖沢橋
静岡まで103km
トランスジャパンアルプスレースの選手達は、日本海側の剱岳から南アルプスまでを登山道とロードをつないでここまで歩き、ここからさらに103km以上の道のりを歩いてゴールである太平洋まで向かうわけです。
(今回歩いたルートは一部がTJARのコースになっているはずです。)
暗闇の林道歩きなんてなんのそのな超人たちです。
トランスジャパンアルプスレースについてのブログ投稿はこちら
往路でこの赤石トンネルを通っている時は、異世界に行ってしまうようなとても嫌な感じがしました。
明るい時間帯であれば出口が見えますが、暗い時間帯には出口方向も暗いので、まさに出口の見えないトンネルでした。
畑薙大吊橋
大吊橋というだけあり、畑薙大吊橋はとても長い吊り橋でした。
午前1時に出発し、暗くなる前の午後5時30分に沼平ゲートに無事に戻ることができました。
復路では、電力会社や調査?の車が数十台、椹島から沼平方向へと走っていったので、林道歩きもそれほど孤独感を感じることはありませんでした。
何よりも暗闇ではなかったですし。
日本百名山日帰り最難関である、
畑薙第一ダムからの徒歩での赤石岳・悪沢岳を達成することができましたが、登山後の清々しさはそれほどなく、林道歩きのインパクトばかりが残った気がします。
(稜線上で展望が無かったというのも大きいですが。)
それでも、今まで歩いたことが無かった南アルプス南部の3000m級の稜線を歩くことができたこと、
百名山日帰り最難関を完踏することができたことは本当に良かったです。
赤石岳・悪沢岳の日帰り周遊登山は、日本百名山の完登で印象に残った山第1位です。
日本百名山の完登で印象に残った山第2位はこちらです。
日本百名山の完登で印象に残った山第3位はこちらです。
☆畑薙第一ダムから赤石岳山頂までのブログ投稿はこちら
悪沢岳(東岳)が掲載された『山と高原地図』
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『日本百名山の100座すべての登山所要時間(登山レポート)』を、こちらで一覧にしています。
↑ 146日間で日本百名山を完登したときの登山所要時間(登山レポート)になります。
『僕の登山装備(登山ウェア含む)』を、こちらで一覧で紹介しています。お問い合わせいただくことが多いので。
僕はこの地図帳があったから、日本百名山を完登してみたいと思い、実際に完登をすることができました。
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「日本百名山地図帳」は、登山ルートやコースタイムなどの確認に大活躍し、ボロボロになるまで使いました。
『日本百名山登山地図帳をどのように使ったか』こちらで詳しくブログ投稿をしています。
『日帰り登山のノウハウ』を、こちらでブログ投稿しています。日本百名山の完登、毎週末の北アルプス登山で身に着けたノウハウになります。
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