赤石岳(あかいしだけ)を2017年10月13日に日帰り登山済。
メモ:赤石山脈の名前になっている赤石岳。
標高3121m
静岡県と長野県にまたがる山
登山ルート
畑薙第一ダム(徒歩)~椹島~赤石岳~東岳(悪沢岳)~千枚岳~椹島の日帰り周遊
駐車場(畑薙ダムの沼平)
10台前後 トイレ無し
※駐車台数は実際にカウントしたわけではないので大きく異なっている可能性あり。
※駐車台数は10台前後、20台以上、50台以上で分類。
※トイレの使用可否は未確認の場合あり。
最も不安であり、最も楽しみにしていた、日本百名山日帰り難易度ナンバー1である畑薙第一ダムからの赤石岳・悪沢岳の日帰り登山。
(コースタイムはざっくり計算で29時間ほどだと思います。)
畑薙第一ダムからの赤石岳・悪沢岳完全日帰り登山の行程は、畑薙第一ダム(沼平:ぬまだいら)のゲートから椹島までの約16kmを歩くことから始まります。
百名山登山で南アルプスを歩いてみて初めて知りましたが、南アルプスの多くの山域は特殊東海製紙株式会社の社有林となっています。
南アルプスでは至る所で、「ようこそ特殊東海製紙株式会社社有林へ」といった標を見かけます。
登山者は特殊東海製紙株式会社社有林を歩かせていただいているわけです。
そして、畑薙第一ダムから椹島までも特殊東海製紙株式会社の社有林の一部であり、特殊東海製紙株式会社は畑薙第一ダムから椹島までの区間の移動は徒歩か自転車しか認めていません。
ただし、特殊東海フォレスト(特殊東海製紙株式会社社有林を管理する会社)が運営する山小屋などに宿泊する場合のみ、畑薙第一ダムから椹島または二軒茶屋までバスで送迎してもらうことができます。
山小屋に泊まっては日帰り登山をしたことにならないので、赤石岳・悪沢岳の日帰り登山に挑戦する登山者は、畑薙第一ダムから椹島までを自転車または徒歩で行くことになります。
ヤマレコなどを見ると自転車を使う登山者が圧倒的に多いですが、どうせなら完全制覇をしようと思い、
畑薙第一ダムから徒歩での赤石岳・悪沢岳の日帰り登山に臨むことにしました。
登山開始地点となる沼平(ぬまだいら)
わたくし、まず、自宅のある松本市から畑薙第一ダムまでの移動を侮っておりました 汗
午前11時頃に自宅を出発して、畑薙第一ダムに着いたのが19時を過ぎていました・・・。
(途中で温泉に入ったのと、食事をしましたがトータル1時間30分ほどです。)
誤算だったのが、静岡の市街地から畑薙第一ダムまでが3時間ほどかかったことでした。
それでも一応、車中泊で横になる時間を4時間ほど確保できましたが、駐車場がダムの堰堤と言うこともあり、熟睡することができませんでした・・・。
風ふょう被害かもしれませんが、ダムの堰堤と言うと霊的なパワーがありそうな気が・・・。ダム自体にも本能的になんとなく恐怖を感じますし。
しかも、他に車中泊している登山者がおらず、なかなか雰囲気のある駐車場で一人ぼっちだったので・・・。
あとから考えれば畑薙第一ダムの駐車場ではなく、沼平の駐車場で車中泊をすればよかったと思います。
畑薙第一ダムの駐車場にはトイレがあるという情報だったので車中泊場所に選びましたが、暗くなってからの到着だったのもあってか結局トイレを見つけることはできませんでした。
(後に調べてみると、建物自体は認識していましたが、それがトイレであるということが解っていませんでした。)
そんなこんなで色々とありまして、2時間しっかりと寝れたか寝れなかったかというフワフワした状態で、日本百名山日帰り最難関の赤石岳・悪沢岳に臨むこととなりました。
沼平ゲート前の南アルプス登山指導センター
今までの登山歴でも最速の午前1時に登山を開始しました。
畑薙第一ダム~椹島は林道なので暗い時間の移動でも物理的にはほとんど問題ありません。
(精神的にはだいぶきつかったです・・・。)
10月の中旬も近づき、日もだいぶ短くなっていたので、明るい時間を少しでも登山道を歩く時間に当てようと考えました。
当初、赤石岳・悪沢岳の日帰りはもっと早い時期に挑戦しようと思っていましたが、登山前後にそれぞれ2~3日の休息日を設けたかったことと、超長丁場の山行で足が壊れる可能性もあったので、
百名山全山日帰り登山達成の見通しがある程度たってからの終盤に挑戦することにしました。
同じ志を持った、一緒に歩ける登山者がゲートにいたりしないかな~と思いましたが、車中泊をしている人がまずいなかったので、そんな同志はいるわけもなく・・・。
看板にあるように自転車の利用は認められています。
思ったよりも早く畑薙大吊橋に到着。
(別の山へのルートであり、椹島に行く場合には渡る必要はありません。)
暗くて吊り橋の様子は全くわからずでした。
笏ヶ岳(ざるがたけ)登山口
(今回の登山ルートではありません。)
ツイッターでやり取りさせていただいた方に、笊ヶ岳は南アルプスの展望が素晴らしいと教えていただきました。
しかしながら、ここまでも来るのに1時間30分ほどを要しました。
また、山と高原地図で破線を含むルートなので、別のルートから入るのが一般的なのではないかなと思います。
聖岳の聖沢登山口
ここまで2時間30分ほどかかりました。
椹島に泊まって、椹島からここまで歩くのが一般的なのでしょうか。
3時間ほどかけて椹島入口に到着しました。
新穂高から鷲羽岳・水晶岳へと向かう左俣林道や、同じく、槍ヶ岳へと向かう右俣林道も暗い時間に歩くことはありますが、せいぜい1時間から1時間30分ほどです。
3時間も暗闇の中、1人で林道を歩くのは精神的にきついものがありました。
ギャーギャーといった獣?鳥?の鳴き声はするは、ワサワサと葉を揺らす音が聞こえてきたり、獣の臭いがしたり。
カラカラと音を立てて落石が起きたり・・・。
(ヘッドライトの灯りでは全く持って発生源、落石が向かう場所を特定できず・・・。)
あとは、基本的に、ダム、川の横を歩くので霊的なプレッシャーも・・・。
川沿いなのでいくつか発電所があり、何とも言えないブーン、ブーンという日常生活では聞くことが無い音がしてきたり。
1時間ほどならまあ、耐えれますが、暗闇の中、3時間も色々なイベントが続くというのはなかなかしんどかったです。
椹島までは林道を外れ、登山道を少し下りました。
椹島ロッジの水場
精神的な余裕が無かったせいか、椹島ロッジの写真を撮り忘れました・・・。
施錠されていなかったので、少しだけロッジの中をのぞかせてもらいましたが、山小屋のような感じではなく、合宿所のようか感じでとても快適そうでした。
ロッジからは少し離れますが、外トイレもありました。
登る山(赤石岳)と降りてくる山(千枚岳)が同一方向になっていますが、とりあえず道標に従って進みます。
登山基地というのもうなずける椹島でした。
恐らく、歩いてきた林道に戻るような感じの場所に赤石岳登山口があったものと思われます。
登山道も1時間ほどは暗い中を歩きましたが、やはり登山道の方が雑念がわくことも無く集中して歩けます。
登山道には、赤石小屋まで母数5の看板がありましたが、5分の2から先が全く現れませんでした。
結局4~5時間は暗い中で行動したので、
いつにもなく光に暖かみを感じます。
人間はやはり昼行性の生き物です。
歩荷返し
馬返し、行者返しは時々見ますが、歩荷返しは初めて見ました。
返されることなく、歩荷返し終了。
歩荷とは、水や食料などを山小屋に上げる、言ってみれば荷上げをする人のことです。
看板が目に入った時は、「あと30歩」だと思いましたが、よくよく見ると、「あと30分」でした・・・。
先に待ち構えているであろう長丁場に気が急いていたようです。
小屋だと思ったら赤石小屋の倉庫でした。
赤石小屋も、この先の荒川小屋も立派な倉庫がありました。
(冬は無人の冬季小屋として開放されるようです。)
事前リサーチでは営業は終了しているようでしたが、まだ従業員の方はいらっしゃるようでした。
赤石小屋はスルーして先を急ぎます。
道標によると、椹島から赤石岳山頂までの半分は過ぎている感じです。
イメージとしては、
新穂高~鷲羽岳・水晶岳の日帰り登山に約32キロの林道歩きをプラスαすると、畑薙ダム~赤石岳・悪沢岳の日帰り登山の距離、所要時間になると胸算用していましたが、どうやら思っていたよりも時間はかからなそうな雰囲気です。
夜明け前は星空を見上げながらの林道歩き、日が昇り明るくなった時は青空でしたが、雲行きが怪しくなってきました・・・。
紅葉が綺麗でした。
富士見平に到着。
地図によると、荒沢、赤石、聖、富士山などなど、
「全て見える」と書いてありましたが、
全て見えませんでした・・・。
水場
長丁場の山行なので序盤から積極的に行動食を食べます。
ちなみに、最近は10時間を超えるような山行でも、水で薄めたポカリとカップヌードルビックがあれば、行動食を食べなくてもハンガーノック(シャリバテ)になることはありません。
槍、剱、甲斐駒あたりであれば行動食不要で歩き切ることができます。
ただ、登山前日はかなり食べます。
稜線に到着。
ここで世界が一変し、冷たい風が吹き荒れていました。
稜線から登山道を登ってきた方に4~5m戻れば風の影響は受けないパターンだったので、一旦、退却して装備を整えました。
厳冬期にアウターとして使用しているソフトシェルをレインウェアと重ね着しました。
そして、体温を維持するための燃料となる水分(ポカリを水で薄めたもの)と行動食(カロリーメイト)を補給し、強風吹き荒れる稜線に突入です。
赤石岳山頂は装備を整えた分岐からそれほど時間がかからずにつきました。
山頂では雷鳥がお出迎えしてくれました。
一般的には雷鳥は荒天の日に遭遇することが多いと言われています。
(晴れの日でも遭遇できることはよくあります。)
その愛くるしさから癒しをくれる雷鳥ですが、荒天の稜線で、何食わぬ顔で佇んでいる雷鳥からは逞しさを感じます。
せっかく姿を現してくれても、じっくりと写真を撮っている余裕はこちらにはありません。
冷たい風が吹き荒れています。
赤石岳山頂では自撮りをしている余裕はありませんでした。
とりあえず、一旦、分岐まで戻り悪沢岳方面に向かうかどうかを考えることにしました。
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赤石岳が掲載された『山と高原地図』
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