冬の富士山では多くの登山者が命を落としています。
そして、冬の富士山で遭難、滑落をしてしまうのは登山初心者ではなく登山上級者です。
軽装、装備不足の登山初心者の危険性が取り上げられることが多い夏の富士山ですが、そもそも冬の富士山にはそのような登山初心者は登ることはできません。
雪山装備も登山経験も十分な登山上級者ですら遭難、滑落をしてしまう冬の富士山。
このブログ投稿では冬の富士山が危険である3つの理由をまとめてみました。
①斜面が凍っており、アイゼン・ピッケルが効きづらい
②一度滑ったら止まるのは困難
③独立峰であるため強い風が吹いている
冬の富士山が危険である3つの理由について詳しく説明します。
※僕の登山ブログをお読みいただく上でのご注意 → こちらからお読みください。
斜面が凍っており、アイゼン・ピッケルが効きづらい
冬の富士山の斜面はカチカチの氷でコーティングをされているようなものです。
標高が高くなればなるほど雪で覆われた斜面は固くなります。
雪山での滑り止めとして、登山靴に装着するアイゼンや、滑ってしまったときにブレーキの役割を果たすはずのピッケルですら、その効果を発揮しづらくなります。
通常の雪山であれば、アイゼン、ピッケルの刃がしっかりと雪を噛んでくれますが、固く凍った雪(氷)には、アイゼンやピッケルの刃ですらしっかりと効かせることができなくなります。
冬の富士山が危険な理由②
一度滑ったら止まるのは困難
アイゼンやピッケルの刃ですら効きづらい固い雪、固い氷の斜面。
一度滑落をし始めたら自分の意志で止めることはほぼ不可能です。
冬の富士山の斜面は、カチカチのスケートリンクに角度があるようなものです。
雪山で滑落をした際、滑り落ちていくのを停止させるために携行をするピッケルですが、そのピッケルですら固く凍った雪の斜面ではほぼ無力になってしまいます。
冬の富士山が危険な理由③
独立峰であるため強い風が吹いている
富士山は山々が連なっている山脈ではなく、独立峰です。
富士山の周りには、風を遮ってくれる他の山がないため、富士山はもろに風に吹きさらされています。
独立峰であるがゆえ、富士山は夏ですら体が浮くほどの風が吹いている場合があります。冗談抜きにです。
冬の富士山では夏よりもさらに強い風が吹き、登山者はいとも簡単にバランスを崩されてしまいます。
アイゼンやピッケルが効きづらい氷の斜面にいるときに、バランスを崩すレベルの風が吹くわけです。
そして、一度、バランスを崩して氷の斜面を滑落し始めると自分の意志で停止をすることはほぼ不可能です。
物凄いスピードで滑落をしていく氷の斜面には時折、岩が露出していたり、断崖があったりするのです。
100km近いスピードで滑落をしている生身の体。
その体が岩に打ち付けられれば・・・。
まとめ 冬の富士山は登山上級者ですら遭難、滑落の危険がある難易度
以上、冬の富士山登山が極めて難易度が高く、危険な理由をお話してきました。
①アイゼン、ピッケルが効きづらい氷の斜面
②一度滑ったら止まるのは極めて困難
③独立峰であるため強い風が吹いている
冬の富士山の登山難易度が世界でもトップレベルと言われることもあるのもうなずけます。
そして、これらの理由に加えて雪山での一般的なリスクである、
雪崩、落石、低温、ホワイトアウト(吹雪や雪煙による視界不良)などがあるわけです。
富士山は日本一の標高を誇る山ですから、雪崩などの規模も大きくなります。
完全雪山装備の登山上級者ですら、いつ遭難、滑落事故にあってもおかしくないのが冬の富士山なのです。
それではまた、次の山トークでお会いしましょう!
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富士山の『山と高原地図』
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