幌尻岳登山(振内コース)のポイント 日本百名山最難関レベル

Pocket

 
 
 
 
2017年の8月4日に日本百名山である北海道の幌尻岳を振内コース(渡渉ルート)で日帰り登山をした経験から、幌尻岳振内コース登山のポイントをまとめてみました。
 
 
日本百名山である幌尻岳山頂での記念写真
 
 
日本百名山で最難関レベルと言われる幌尻岳。登山距離が長く、他の百名山のノーマルルートにはない膝丈ほどの水位の沢の渡渉が十数回あります。ヒグマも多く生息している山域と言われており、登山中も常にその重圧にさらされていたように思います。
 
 
 

幌尻岳登山の各区間のイメージ

幌尻岳登山の区間ごとのイメージとしては、序盤は林道歩き、中盤は沢の渡渉、終盤は難易度低めの北アルプス登山といった感じでした。幌尻岳~戸蔦別岳~幌尻山荘の周遊ルートは、最高難易度の登山といった感じでした。(詳細は後述)
序盤の林道歩きの距離はそこそこありますが、新穂高~槍ヶ岳や、新穂高~双六岳方面への林道歩きに比べれば短いように思いました。
 
 
 

登山の起点となるとよぬか山荘

幌尻岳の振内(ふれない)コースの登山の起点は、とよぬか山荘となります。
とよぬか山荘は、千歳空港から車で1時間30分ほどの場所に位置しています。
(北海道沙流郡平取町豊糠:ほっかいどう さるぐん びらどりちょう とよぬか)
廃校となった小学校の建物がとよぬか山荘となっており、外見は完全に小学校です。
 
 
幌尻岳の振内コース登山の起点となるとよぬか山荘
 
 

とよぬか山荘からはシャトルバスで林道第二ゲートまで進みます(1時間前後かかったと思います)。シャトルバスは要事前予約です。バスの乗車券はとよぬか山荘内の券売機で購入します。(記憶が曖昧ではありますが・・・)。
とよぬか山荘は早い時間(午前2時頃)は施錠がされていて中に入れませんでしたが、シャトルバスが来る頃には開錠されており、中に入ることができトイレをお借りしました。ちなみに、とよぬか山荘には外トイレはありません。
 
 
 

林道第二ゲートまでの送迎バスの時間

振内コースでの幌尻岳登山は送迎シャトルバスの時間に拘束されることとなります。2019年時点のバスのダイヤで幌尻岳の日帰り登山をするのであれば、往路は午前4時発のバスに乗り、復路は午後5時のバスに乗る以外に選択肢はありません。
 
 
 

バス停留所

バス停留所にはプレハブ小屋と仮設トイレがあります。プレハブ小屋は、清潔とは言えませんが、色々と気にしなければ、なにも敷かずに横にはなれるレベルです。ただし・・・、出入りにどんなに気を付けても、大量発生しているアブがプレハブ内に入ってしまいます。プレハブ内のアブはなぜか人には寄ってきませんでしたが、常にブンブンと羽音がしていたので心が休まる状況ではありませんでした・・・。最終バスに間に合わず、プレハブで一夜を過ごしたという登山者もいるのではないでしょうか。僕がバスに乗せてもらったときは一応、運転手さんと幌尻山荘の方が無線で登山者の動向の確認(乗り遅れている登山者がいないかどうか)をしていましたが、あくまでも形式的なもののように感じました。
 
 
幌尻岳の振内コースの林道第二ゲートバス停留場のプレハブと仮設トイレ

 
 
 

沢の渡渉

幌尻岳の振内コースでは、膝丈くらいまでの水深の沢を十数回渡渉します。登山靴は確実に、完全に浸水します。道中でお話をした登山者の方々は全員、登山靴に加え、沢靴や沢足袋または簡易的な長靴を利用したといわれていました。僕はというと、トレランシューズにアンダータイツで沢へと突っ込みました。結果的に渡渉自体は問題なくできましたが、その後の登山に影響がでました。完全に浸水したシューズとアンダーウェアが水を含むので、足に重りを付けられた状態で登山をするような感覚になります。また、濡れた状態での登山になるので体温が逃げていきました・・・。渡渉後も快適に登山をしたいということであれば、登山用とは別に沢用の履物を携行した方が確実に良いです。また、渡渉~登山道(アップダウンはほとんど無し)~渡渉が続くので、どちらも歩くことができる履物が良いと思います。ウェアは渡渉エリアではレインウェアパンツをはくのが良いかもしれません。僕は登山の最初から最後までトレランシューズにアンダーウェアでした。帰りのバスも濡れたままのトレランシューズ、ソックス、アンダーウェアだったので、ボディーブローのように体力が奪われました・・・。
 
 
幌尻岳の振内コースの沢をトレランシューズで渡渉する様子
 
 
 
 

渡渉箇所

沢を渡り始める場所、沢を渡って上陸する場所は、踏み跡が明確だったり、ピンクテープなどがあるので落ち着いていけばルートロスをする危険性は低いと思いました。
 
 

 
 
 

渡渉ルートで最も気を付けないといけないこと

渡渉ルートで最も気を付けないといけないことは天候です。増水時の沢を渡渉するのは極めて危険で、実際に振内コースでも増水時に事故が起きています。往路は良くても登山中の雨により沢が増水するケースもあるので、終日に渡り天候が安定する予報の日を登山日にするのが重要だと思います。
 
 
増水時の渡渉を控えるよう注意喚起する幌尻岳の振内コースの看板
 
 
 
 

高山植物

命ノ水(水場)から幌尻岳山頂にかけては沢山の花々が咲いていました。幌尻岳に登った当時はそれほど高山植物に詳しくありませんでしたが、花々が綺麗に咲き乱れていた光景が印象に残っています。

 
 
 

水場

山と高原地図には幌尻山荘~幌尻岳山頂の水場として「命ノ水(命の泉)」が記載されており、登山中に看板を確認することはできましたが、気軽に水をゲットできる感じではありませんでした。(ルートはら少し外れる感じ?)
また、幌尻山荘の外には蛇口があり、水をゲットすることができます(煮沸なしに飲めるかは不明)。煮沸せずに飲んでいる登山者もいましたが、心配性な僕はエキノコックスが不安だったのでスルーしました。
 
幌尻岳の振内コースの幌尻山荘
 
 
 
命の泉の看板。稜線上にありますが、稜線から水場まで下降しないといけない感じだったと思います。
 
幌尻岳の振内コースの水場である命ノ水(命の泉)の看板
 
 
 
 

幌尻岳~戸蔦別岳(とったべつだけ)~幌尻山荘のルート

幌尻山荘~幌尻岳のピストンではなく幌尻岳から戸蔦別岳を経由して幌尻山荘まで戻る周遊ルートです。僕は幌尻岳山頂に到着した時、帰りのバスの時間まで余裕があったので、周遊ルートを歩きました。軽い気持ちで周遊ルートを選びましたが、なかなか手ごわいルートでした。まず、幌尻岳から戸蔦別岳までですが、高いところだと腰の高さまであるハイマツ帯を歩きます。ところどころ、ハイマツに覆われていて地面が見えないところがありました。
ハイマツを手でかき分ける必要があったりします。
 
 
正面が戸蔦別岳になります。写真の目の前に広がっているハイマツをかき分けて戸蔦別岳へと向かいました。
 
幌尻岳から戸蔦別岳へと続くハイマツに覆われた登山道
 
 
 

戸蔦別岳~幌尻山荘は分岐を示す看板が無い

戸蔦別岳~北戸蔦別岳の稜線の中ほどに幌尻山荘へと下降していくルートがあるのですが、幌尻山荘分岐を示す看板がありませんでした。しかも、稜線から幌尻山荘へと続くルートの序盤はハイマツが登山道を覆っており、廃道?と思わせるような状態でした。間違っていたらどうしよう?と非常に不安な思いにかられながら、急斜面を下山しました。
 
 
たしか、この看板の正面に幌尻山荘へと続くルートがあったはずです。看板には幌尻山荘を示す表記はありませんでした。
 
戸蔦別岳稜線の看板
 
 
 

渡渉回数が多い

山と高原地図には渡渉は数回程度と記載されていましたが、10回以上は渡渉をしました。しかも、林道第二ゲート~幌尻山荘までの渡渉ルートに比べて、目印が解りづらくルートが不明瞭でした。
 
 

戸蔦別岳からの眺め

戸蔦別岳からは雄大な幌尻岳を見渡すことができ、景色は文句なしでした。
 
 

幌尻岳~戸蔦別岳(とったべつだけ)~幌尻山荘のルートのまとめ

このルートでは戸蔦別岳から幌尻岳を見渡すことができとても素晴らしい景色が待っています。ただし、ハイマツこぎ、ルートが不明瞭な渡渉、稜線上の分岐に看板が無い、など難ルートと言えると思います。また、山と高原地図に「ヒグマ出没注意」の文字があります。
 
 
 

他の百名山と比べた幌尻岳登山の難易度

実際に幌尻岳登山をしてみて、難易度を考えてみると、体力的には、槍ヶ岳や剱岳早月尾根よりは楽だと感じました。体力度、危険度だけを考えると、北アルプスや南アルプスの山々の方が上だとも思えますが、幌尻岳の振内コースの難関は何と言っても膝丈まである沢の渡渉です。逆に言えば、渡渉をこなすことさえできれば登山難易度としては上の下くらいではないかなと思います。あとは、何となくルート上にヒグマのオーラが漂っている気がしたので、熊鈴や熊スプレーを携行した上で、熊オーラがある中でも冷静に行動ができる経験も大事だと思いました。

 
 
 

アブ?への対策

バスを降りた林道第二ゲートから幌尻山荘の手前くらいまではアブが大量にいます。このアブはウェアの上からでも噛んできて、そこそこの痛みを感じるので、とんでもなくストレスになります。バスの運転手さんいわく、人が吐く二酸化炭素に寄ってくるようなので、足を止めることなくハイペースで歩いていたとしても、たかられます。午前4時から6時ごろまでかけて歩いた往路では、アブの被害に会うことはありませんでしたが、12時から15時頃までかけて歩いた復路では、何回もアブに噛まれました。道中で話した他の登山者の方によると、僕よりも1本遅いバス(始発の次のバス)に乗った登山者は往路でもアブの被害にあったようです。気温が低ければレインウェアなどを着こむのも対策の1つだと思いますが、レインウェアを着ても暑さを感じない気候ということは水温が低い中で渡渉をするということになります・・・。アブに効くのかは定かではありませんが、やはり、こまめに虫よけを使うのが最も有効な対策ではないでしょうか。(僕は虫よけを持っていませんでした・・・。) 僕は8月の登山だったので、7月や9月の登山であればアブの発生状況も変わるのかもしれません。幌尻岳登山の思い出の一つとして、アブは欠かせない要因になっております・・・。
 
 
 

入れ食い状態の川魚

 
渡渉をしている際、幾度となく川魚を目にしました。また、幌尻山荘泊だった幌尻岳ツアーのガイドさんは、川で釣った魚を串焼きにしてツアー参加者に振る舞っていたそうです。法的に問題が無いのかは不明ですが、釣竿を持っていけば容易に川魚をつることができるのではないでしょうか。
 
 
 

幌尻岳登山(振内コース)のポイントのまとめ

・増水時の渡渉を避けるために天候を見て登山日を決める。
・登山靴とは別に渡渉のための沢足袋などを準備。
・アブ対策のために虫よけなどを準備。(ウェアの上からも噛んできます。)
・ヒグマ対策の熊鈴と熊スプレーを携行
・幌尻岳~戸蔦別岳~幌尻山荘の周遊ルートは絶景が広がっているが難易度が高い。
 
 
渡渉あり、ハイマツ漕ぎあり(戸蔦別岳周遊ルート)、アブの襲撃あり、ヒグマのオーラありと、印象に残ることが満載の幌尻岳。困難なルートではありましたが、戸蔦別岳から見る幌尻岳の雄大さはとても印象的でした。日本百名山を完登した中でも、良い意味でトップ3に入る思い出の山となっています。できることなら毎年登りたい幌尻岳です。
 
 
 
 
☆登山装備一覧はこちら☆
 
 
登山ルート・ノウハウ紹介の一覧はこちら
 
 
☆日本百名山全山日帰り登山を146日間で達成して思うことやノウハウについて 一覧☆
 
 
☆日本百名山全山日帰り登山の記録はこちら☆
 
 
☆山旅の記録 一覧はこちら☆
 
 
 
☆ポチッとしていただけるとよろこびます☆



 

スポンサーリンク

Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)