スノーショベルは、ビーコン、ゾンデ棒とともに、雪山登山の三種の神器と言われています。
雪山の三種の神器は、言い換えれば、雪崩対策の登山装備ということになります。
ビーコンとゾンデ棒は、雪崩関連での使用用途が主です。
一方で、スノーショベルは、雪崩が発生したとき以外にも色々と活躍シーンがあります。
僕はブラックダイヤモンドのディプロイを使っています。
ディプロイは、シャフト(手で持つ部分)をブレードに収納をすることができ、コンパクトに携行をすることができます。
ブラックダイヤモンド ディプロイ
今回のブログ投稿では、スノーショベルの雪山での主な使用用途について山トークをしていきます。
大まかにいうと、スノーショベルは以下の7つのシーンで役に立ちます。
雪山登山でスノーショベルが活躍するシーン
①雪洞づくり
②テント泊時の雪面の整地
③雪山テント泊をする場合に竹ペグを埋めるため
④テント泊時の風よけづくり
⑤テント泊時の調理場所づくり
⑥雪崩発生時の掘り出し
⑦車が雪でスタックした時の雪かき
それぞれについて詳しく書いていきます。
スノーショベルの使用用途(雪山登山)
雪洞づくり
僕がスノーショベルを雪山に携行する理由は、雪洞づくりのためと言っても過言ではありません。
新田次郎の山岳小説「孤高の人」で、主人公の加藤文太郎が、雪洞を掘って吹雪を乗り切ったシーンがとても印象に残っています。
僕の中では、雪山でビバークせざるを得なくなったら、スノーショベルさえあれば雪洞を掘って耐え忍ぶことができるんだと刷り込まれています。
実際には、保温着や、雪の上に直に横になったり、直に座ったりすることの無いようにマットなども必要です。
僕はスノーショベルを使って雪洞を掘る練習を年に1回はするようにしています。
孤高の人 新田次郎
スノーショベルの使用用途(雪山登山)②
テント泊時の雪面の整地
雪山テント泊をする場合にも必須アイテムなのがスノーショベルです。
僕はこれまでに、雪山テント泊をしてきた経験があります。
雪山テント泊をする場合、まずはテントを張る雪面を整地する必要があります。
スノーシューで雪面を踏み込むのが効率的ですが、スノーショベルを使って整地を仕上げるのが効率的です。
雪面の整地を妥協すると、マットを敷いたとしても横になった時に雪面の凸凹が感じられ、快適に眠ることができなかったりします。
スノーショベルの使用用途(雪山登山)③
雪山テント泊をする場合に竹ペグを埋めるため
僕は雪山テント泊ではテント設営時に竹ペグを使います。
竹ペグを使ってのテントの設営手順は、竹ペグを埋めるための穴を掘り、竹ペグを入れ、雪で穴を埋めるという手順を踏みます。
ショベルは穴を掘るため、穴を埋めるための道具なので、スノーショベルの本領発揮です。
ただし、雪が固く締まっている時は、ピッケルで穴を掘った方が効率的な場合もあります。
その場合でも、穴を埋める際にはスノーショベルが活躍します。
竹ペグ
スノーショベルの使用用途(雪山登山)④
テント泊時の風よけづくり
雪山の爆風からテントを守るため、テントの周りに壁を作ることもあります。
スノーショベル無しに風よけの壁を作るのは不可能ではないでしょうか。
スノーショベルの使用用途(雪山登山)⑤
テント泊時の調理場所づくり
スノーショベルで雪を整地して、雪上クッキングに使うバーナーなどを置きやすくすることができます。
また、穴を掘って、掘りごたつのように自分が座る場所を作れたりもします。
スノーショベルの使用用途(雪山登山)⑥
雪崩発生時の掘り出し
雪崩に巻き込まれた登山者を雪から掘り出す時にスノーショベルが活躍します。
ただ、雪崩に巻き込まれるということ自体が致命的な状況ではありますが。
いずれにしても、万が一の時にはスピーディーに雪を掘りだすことができます。
スノーショベルの使用用途(雪山登山)⑦
車が雪でスタックした時の雪かき
雪山登山の際には、登山口の駐車場などで車がスタックしてしまうということがありえます。
雪のおかげでタイヤが空転してしまっている場合など、スノーショベルがあれば雪を掻き出すことができます。
ショベルとスコップの違い
スコップとショベルの違いですが、地域によって呼び方がまちまちだったりで、厳密な使い分けはされていないようです。
JIS規格では、ブレードに足をかける部分があるものを「ショベル(シャベル)」、足をかける部分が無いものを「スコップ」とされています。
僕が使っているブラックダイヤモンドのディプロイですが、販売元のロストアローのホームぺージで『ディプロイショベル』となっています。
実感として、ディプロイには足をかける部分がないように思いますので、JIS規格に基づくとディプロイはスコップのようにも思いますが、まあ、細かいことを気にしても仕方ありません。
販売元がショベルと言っていれば、ショベルで良いのだと思います。
ちなみに、『スノースコップ』でネット検索をすると、雪かきがヒットします。
まとめ 雪山でのスノーショベルの使用用途(雪山登山)
以上、雪山でのスノーショベルの主な使用用途についてまとめてみました。
①雪洞づくり
②テント泊時の雪面の整地
③雪山テント泊をする場合に竹ペグを埋めるため
④テント泊時の風よけづくり
⑤テント泊時の調理場所づくり
⑥雪崩発生時の掘り出し
⑦車が雪でスタックした時の雪かき
雪山の三種の神器の中でも使い道が最も多いスノーショベル。
雪山での安全対策には欠かすことができない登山道具だと思います。
僕はこれからも雪山登山の際には必ずスノーショベルを携行します。
日帰り登山であっても。
ブラックダイヤモンド ディプロイ
『冬山登山のノウハウ【北アルプス3000m級の雪山登山の経験から】』を、こちらでブログ投稿しています。
『夏山登山のノウハウ』は、こちらでブログ投稿しています。日本百名山の完登、毎週末の北アルプス登山で身に着けた、冬山登山にも通じるノウハウになります。
『僕の夏山登山装備(登山ウェア含む)』は、こちらで一覧で紹介しています。お問い合わせいただくことが多いので。
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