弾丸登山でなくても拝むことができたご来光(富士山6合目付近で撮影)

富士山の弾丸登山が危険な理由

 
 
 
 
松本市の山男です。
 
 
 
今回は、『富士山の弾丸登山が危険な理由』について、山トークをしていきます。
 
 
 
まずはじめにですが、登山初心者には弾丸登山は極めて危険です。
 
 
 
弾丸登山はしないことを強くおすすめします。
 
 
 
なぜなら、弾丸登山は、
 
 
 
厳しい気象条件の中で。
 
 
 
夜の登山道(岩場あり)を、日本一高い場所に向かい、一睡もせずに登る。
 
 
 
からです。
 
 
 
 
経験豊富な登山者であっても弾丸登山はリスクが上がります。
 
 
 
 
 
※僕の登山ブログをお読みいただく上でのご注意 → こちらからお読みください。
 
 
 
 
 

まずは、弾丸登山とは

富士山のおひざ元、山梨県富士吉田市のホームページに以下の記載があります。
 
 
『弾丸登山とは、富士山五合目を夜間に出発し、山小屋に泊まらず夜通しで一気に富士山の山頂を目指す登山形態です。』
 
 
山梨県富士吉田市ホームページ STOP!!弾丸登山!! (2023年7月19日時点掲載)
 
 
 
弾丸登山とは、0泊2日で登山をする形態ということになります。
 
 
 
 
 

富士山の弾丸登山が危険な理由

主な理由は以下のとおりです。
 
 
①暗い登山道を歩くため
 
②太陽が出ていないため(気温が低いため)
 
③寝ないで行動をするため
 
④夜間は山小屋は営業していないため
 
 
 
 
それぞれについて、くわしく山トークをしていきます。
 
 
 
 
 
富士山の弾丸登山が危険な理由

①夜の登山道を歩くため

弾丸登山では、ナイトハイク(夜間登山)をすることになります。
 
 
ヘッドライトの明かりで登山道を照らし、限られた視界の中で登山をすることになります。
 
 
ナイトハイクに慣れていない場合には、進むべき場所を見失ってしまう可能性があります。
 
 
足を置いてはいけない場所に置いてしまい、転落、滑落をしてしまう可能性もあります。
 
 
また、ナイトハイクでは、明るい時間帯の登山に比べて、自分の身の周りの危険を把握することが難しくなります。
 
 
例えば、自分の上方で落石が発生した場合、明るい時間帯であればどこで落石が起きたのかを見回すことができますが、ナイトハイクの場合、ヘッドライトで照らすことができる箇所しか確認をすることができなくなります。
 
 
 
 
 
富士山の弾丸登山が危険な理由

②太陽が出ていないため(気温が低いため)

あたり前のことではありますが、平地であっても夜は気温が低くなります。
 
 
日本一の標高の富士山(3776m)は、標高の高さもあるため、気温がぐんと下がります。(標高が100m上がると気温は0.6℃下がります。)
 
 
富士山の年間平均気温の平年値(1991〜2020年の平均)はマイナス5.9℃です。(環境省のホームページより)
 
 
ちなみに、東京(東京都) の日平均気温の月平均値(℃)は16.4℃です。(気象庁のホームページより)
 
 
富士山の気温が平地に比べていかに低いかがわかります。
 
 
日中の登山では、太陽が出ているか、出ていないかで、体感温度が大きく変わります。
 
 
太陽が出ておらず、風に吹かれると、真夏の登山でも凍えるほど寒くなることがあります。
 
 
そして、真夏の登山であっても、低体温症により命を落とされている方が過去に何人もいらっしゃいます。
 
 
夜の登山では、太陽が出て、体を温めてくれるということは絶対にありません。
 
 
登山中に、ただ単に気温が低いだけであれば、レインウェアを着ることなどにより対応ができる場合もありますが、気温が低い状況で風に吹かれると低体温小に陥るリスクが上がります。
 
 
富士山頂では、台風並みの風が吹くこともあります。
 
 
冗談ではなく、僕自身、体が吹き飛ばされそうになった経験を何回かしています。
 
 
太陽が出ておらず、昼間より過酷な夜に強風にさらされることになると、真夏と言えでも命の危険にさらされることになります。
 
 
 
 
 
富士山の弾丸登山が危険な理由

③寝ないで行動をするため

弾丸登山では、0泊2日で登山をすることになるので、普段は寝ている時間帯に登山をすることになります。
 
 
弾丸登山では、登山で日常生活よりも体力を使うことになる上に、普段は休んでいる時間帯にも行動をするということになります。
 
 
そして、弾丸登山では以下の3点が重なります。
 
・普段は寝ている時間に行動をする
 
・体力を消耗しているのに寝ることができない
 
・睡眠不足になる
 
 
 
上記が重なり、通常の登山に比べて、弾丸登山では体にかかる負荷が大きくなります。
 
 
酸素の薄い、標高の高い所に身を置く中で。
 
 
 
 
 
富士山の弾丸登山が危険な理由

④夜間は山小屋は営業していないため

昼間の山小屋営業時間内であれば、雨や風に見舞われたときには、避難をさせていただくことも可能です。
 
 
また、アクシデントに見舞われたときは助けを求めることができます。
 
※山小屋に助けを求めるような状況に陥らないための準備と、安全登山の心構えを持つことが重要です。
 
 
しかし、夜の山小屋は基本的には営業をしていないので、助けを求めた場合にも、速やかに対応していただけない可能性があります。
 
 
また、昼間であれば、山小屋で食料や飲み物を購入したり、食事をすることが可能ですが、夜間はできません。
 
 
つまり、食料や飲み物をザックに入れて、自分で持ち運ぶ必要があります。=ザックが重くなります。
 
 
 
 
 

まとめ

以上、『富士山の弾丸登山が危険な理由』について、山トークをしてきました。
 
 
①夜の登山道を歩くため
 
②太陽が出ていないため(気温が低いため)
 
③寝ないで行動をするため
 
④夜間は山小屋は営業していないため
 
 
 
 
富士山の弾丸登山では、標高が高く、体に負荷がかかる中で、様々な要素に対応をする必要があります。
 
 
弾丸登山に対応できる可能性があるのは、夜間を含むトレイルランニングのレース(日本山岳耐久レースなど)経験者や、ナイトハイク(夜間登山)に慣れた登山者あたりだと思います。
 
 
少なくとも、登山初心者が富士山の弾丸登山をするのは危険極まりないです。
 
 
仮に弾丸登山をしたとしても、富士山登山を満喫するだけの余裕が生まれることは無いでしょう。
 
 
どうしても弾丸登山をしたいということであれば、まずは、平地で夜通し歩いてみるという練習をする必要があるかと思います。
 
 
平地ですら夜通し歩くことができないのだとすれば、日本一高い富士山の夜を歩く(登る)ことなどできるはずはありません。
 
 
 
 
それではまた、次の山トークでお会いしましょう!
 
 
 
 
 
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『富士山に登頂するためのポイント【登山初心者向け】』を、こちらでブログ投稿しています。
 
 
 
 
 
『日帰り登山のノウハウ』をこちらでブログ投稿しています。日本百名山の完登、毎週末の北アルプス登山で身に着けたノウハウになります。
 
 
 
 
 
『僕の登山装備(登山ウェア含む)』をこちらで一覧で紹介しています。お問い合わせいただくことが多いので。
 
 
 
 
 

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