信州トレイルマウンテンさん(トレイルランニング・軽快登山の専門店)のイベントである、『ツールド・NAGANO・130k』に参加してきました。
昨年もエントリーさせてもらいましたが、風邪をひいてしまい出場をあきらめました・・・。
ツールド・NAGANO・130kは簡単に言うと、長野盆地(善光寺平)の周りの里山をロードで繋ぎながら巡るというイベントです。
詳細はこちら(信州トレイルマウンテンさんのページ)
一般的なトレランレースなどと違うところは、コース上に目印がなく、誘導員もいないということです。
店長さん手作りのコースマップを読図、地図読みしながらコースを進みます。
コースは全8エリアで構成されています。
スタート&ゴールとなるお店。
お店は閑静な住宅街にありますが、午前6時前のお店の駐車場には、住宅街にはふさわしくない登山者・ランナーが集結しておりました。
多分、スタート時間である午前6時前後の気温は0度前後だったのではないかと思いますが、短パン生足の参加者も数名いました・・・。
他の参加者の装備、たたずまいからも、強者たちが集まっていることが実感できました。
お店をスタートしてから第一エリア(須坂)の井上山までのロードは、地図を全く見ずに他の参加者についていきました。
ツールド長野で最も重要視したことは、ロードで足を使わないということだったので、ロードは超スローペースで進みました。(平地でいうと、1キロを7分近いペースで進んだと思います。)
1つ目のピークである井上山山頂(長野市須坂)
この先、いくつものピークを踏むことになります。
井上山エリアから明覚山エリアまでの林道~道路も、地図を見ずに前を行く他の参加者を探しながら進みました。(岐阜から参加の方と少しお話ししながら進みました。)
ツールド長野の参加者の多くは信州トレイルマウンテンさん(以下トレマンさん)の常連客で、週末に開催されているトレラン・ランニングツアーの常連さんでもある感じがしました。
ツアーではツールド長野の試走会も行われており、地元長野市から参加の方は基本的に土地勘バッチリな感じでした。
ゆえに、常連さんらしき参加者についていくのが狡猾ではありますが最も効率的なのです。
記憶が曖昧ですが、明覚山(須坂市)から撮ったと思われる写真。
第一エリア(須坂)はロード~井上山~ロード~明覚山と、全8エリアの中でも長丁場な方だったと思います。
そう言えば、明覚山の登山口で、ルートをロストしてしまいました。
それまで周りにいた参加者が消え、気が付いたら自分一人だったのでおかしいと思い引き返しました・・・。
時間にして10分ほどのタイムロスだったので、大ごとにならずに良かったです。
第二エリア(小布施)は、試走ツアーに参加させてもらっていたのと、それほど分岐もない登山ルートだったので問題なく歩くことができました。
第二エリアに来る頃には、山エリアよりも登山口から登山口までのロード区間の方が、重要かつ迷いやすいということに気が付き始めました。
日本百名山全山日帰り登山でもそうでしたが、登山口にさえついてしまえば、あとは、どんな山であろうといつもどおりの登山をするだけでした。
百名山登山でも大変だったのは、土地勘がない中で、登山口から登山口まで移動をすることでした。
ちなみに、第一エリアから第二エリアへのロード区間も、他の参加者をマークさせてもらいました。
第二エリア(小布施)の雁田山(かりたやま)の展望園地付近。
晴れていれば北信五岳を見渡すことができますが、残念ながら雲の中でした。
ちなみに、北信五岳とは、妙高山、斑尾山(まだらおさん)、黒姫山 、戸隠山、飯縄山(いいづなやま)のことです。
北信とは、長野県の北部地方を指す名称です。
第二エリアから第三エリアのロード(豊野周辺)は、県外からの女性参加者の方と走らせてもらい華やかな区間となりました。
地元参加者が前後にいなくなってしまったので、初めてまともに地図を見ながらロードを移動しました。
地図を見ていたら、農作業をされていた地元の方が道を教えてくれたりしました。
第三エリア(三登山)の髻山(もとどりやま:長野市と飯綱町の境)
写真の標は、山頂までの道中に撮影したと思います。
髻山からは、先ほど登ってきた雁田山が見えたようですが、見ている余裕はありませんでした。
髻山は、レースの進行方向とは反対側にピストンをする形で登りました。
つまり、髻山に登っている時は先行している参加者とすれ違うわけですが、
自分が前のエリアで抜いて、その後、抜かれていない参加者が、自分より先に髻山から下山をしてきました。
まさに地の利というやつだと思いますが、ロード区間を熟知している参加者の方がコンプリート完走をできる可能性が高くなります。
ちなみに、ツールド長野では基本的にはロード区間はどこを通っても自由です。(一部、指定区間もあります。)
レース終盤で地元参加者の方が、「5kmくらいはマップでの推奨ルートよりもショートカットしたはずだ」
と言われていました。
5キロと言えば、平地で1kmを5分ペースで走ったとしても25分かかります。
やはり、ロード区間が非常に重要です。
髻山からの展望
多分、日本百名山の四阿山(あずまやさん)
髻山の安山岩からはエジリン輝石という鉱物が含まれており、長野県内では岩石学的に有名な山のようです。
三登山(みとやま)の三角点
三角点ゲット
三登山の山頂(長野市)
三登山から若槻山城跡の道中の景色
若槻山城跡
第三エリア(三登山)から第四エリア(大峰山)へのロードは少し楽しみにしていたエリアです。
実は、わたくし高校を卒業するまでは長野市に住んでいました。(ツールド長野に役立つ土地勘は無いに等しいレベルです・・・。)
我が母校。
自転車で通学した正門前の道路脇でコーラを補給。
一度も入ったことはありませんが、昔ながらの銭湯が今も営業していました。
昔、ゲーセンだった場所。
通っていたわけではありませんが、友達とたまたま行った時に、今で言うDQNに因縁を付けられて顔を殴られた思い出が・・・。
一応、強豪校として名の知れている部活に入っていたので、警察沙汰、暴力沙汰はまずいと思い反撃せずに捨て台詞を残して逃げました。
お金で解決しようと、財布から3000円ほど出しかけましたが、よく考えたらもったいないなと思い、途中で頭に来て、最終的には300円をDQNに向けて投げつけました 笑
第三エリア(三登山)から第四エリア(大峰山)までは一人旅でしたが、ロードで迷うこともなく登山口に到着しました。
第三エリアは試走会に参加させてもらったので特に問題はありませんでした。
地附山(ぢづきやま)に向かう登山道
東京スカイツリーの高さを越えます。
パワーポイント
自然からパワーをもらうポイントです。
夕焼けと月が綺麗でした。
実際に見たわけではありませんが、地附山のパワーポイントからは間違いなく夜景が綺麗です。
登山道にはなりますが、30分かからずにパワーポイントまでたどり着けると思います。
翌日の12月3日が2017年のスーパームーンだったようです。
地附山山頂(長野市)
地附山山頂のヤッホーポイント
飯縄山と妙高山
妙高山にズーム
地附山山頂から見える山はこんな感じです。
飯縄山、黒姫山、妙高山を見ることができます。
上の写真2枚の方角です。
大峰山の大峰城
地附山~大峰山は試走の時にはちびっ子を連れたファミリー登山客も数組いました。
僕も子供の頃には家族で登ったことがあるはずです。
葛山(かつらやま:長野市)に着くころには完全に暗くなっていました。
頼朝山(長野市)
頼朝山の山頂でスタートから約12時間が経過しました。
頼朝山の山頂展望図
長野市の中心部を見渡すことができます。
夜景が綺麗でした。
第四エリア(大峰山)から第五エリア(富士ノ塔)のロードは、迷いかけたものの、地図を見ていたらまたもや地元の方が道を教えてくれました。
そう言えば、道中で抜きつ抜かれつした他の参加者が、「ろくなジュースがね~!!」と絶叫しながらコンビニから出てきました 笑
ちなみに、僕はそのコンビニでおにぎり1個とウィダーインゼリー1個を補給しました。(ツールド長野ではコンビニや温泉などの立ち寄りが自由です。)
コンビニから少し先に、大通りを挟んで反対側に自動販売機がありましたが、その自販機の前でも同じく絶叫していました 笑
そして、絶叫した自販機のすぐ先になかなか品ぞろえの良い自販機がありました。(=大通りを渡ってまで自販機に行く必要が無かった。)
なんだか似たものを感じました。
絶叫をしていた参加者さんでしたが、地図読みの精度は僕などとは比べものにならないものでした。
目的地までの標高差や距離をしっかりと地図から読み取っていました。
旭山展望台の案内板(長野市)
第五エリアは、ロード~林道~旭山~林道~富士ノ塔と、登り基調のアスファルトが長かったです。(旭山は登山道)
ツールド長野ではいくつもの里山から夜景を見ることができましたが、旭山展望台からの夜景が一番綺麗だったように思います。
富士ノ塔(長野市)
旭山展望台からに比べると寂し気な夜景でした。
第五エリア(富士ノ塔)から第6エリア(茶臼山)のロードは少し迷いました。
他の参加者と確認をしながら進みましたが、2ヶ所ほどでオーバーランしてしまいました。
その一緒に行動した参加者が、オーバーランするたびに悔しがっていた姿が印象的でした。
茶臼山の登山道では他の参加者と合うことがなく、最も長い時間、夜間に一人で行動した山だったと思います。
若干、藪漕ぎをする箇所もありました。
そして、立ち止まって地図読みをしている時に、近くでイノシシらしい鳴き声がして、ワサワサと移動していく音が聞こえたので緊張しました。
茶臼山の山中で唯一会った参加者は、道に迷って戻ってきた方でした。
茶臼山の山頂(長野市)は木々の中にあり、展望はありませんでした。
茶臼山動物園は、長野市、松本市近辺では一番見応えのある動物園ではないでしょうか。
クマをじっくりと観察することもできます。
茶臼山の恐竜公園付近からの夜景
前を走っていた参加者のヘッドライトが道路を照らしています。
闇夜に浮かぶ恐竜。
第六エリア(茶臼山)から第七エリア(尼厳山)は最も長く感じたロード区間でした。
道中の見どころとして長野オリンピックが開催された南長野運動公園がありますが、終盤の疲れを紛らわしてくれることはありませんでした。
ちなみに、長野マラソンのゴール直前区間を逆走するコースレイアウトです。
最後の2区間に備え、長野インター近くのコンビニのイートインで、おにぎり1個とウィダーインゼリー1個を補給しましたが、コンビニの外に出た瞬間に凄まじい悪寒に襲われました。
夜間は幸い、風がほとんど無かったので、気温は霜が降りる程度には下がったものの好条件であったと思います。
ウェアリングはコンビニ直前まで、ファイントラックのアンダーウェア、モンベルの保温着、ノースのジップアップTシャツで行動することができました。(多分、0時ごろまで。)
序盤から汗をかかないウェアリングをするように心がけていたので、夜間に入るときにウェア類が汗で濡れていなかったことが大きいと思います。
第七エリアの尼厳山(あまかざりやま)直前はオーバーランをしてしまいました。
○○工業を目印に進んでいましたが、てっきり○○工業高校だと思っていたら、○○工業という株式会社でした・・・。
全然、学校らしき建物が無いな~と思いながら歩いていましたが、あるはずがありませんでした。
高校時代までの中途半端な土地勘が完全に仇となりました・・・。
午前1時ごろだったと思いますが、静まり返った商店街のような場所を通過するとき、パトカーに遭遇したので職務質問されるかなと構えましたが、スルーされました。
第七エリアの尼厳山・奇妙山は予想以上にハードな山区間でした。
途中で女性参加者が睡魔に襲われたのか座り込んでいましたが、決して他人ごとではありません。
自分もいつ同じ状況に陥ってもおかしくない状況でした。
ちなみに女性参加者には同行者がいました。
尼厳山の山頂(長野市松代)
尼厳山山頂からの夜景
尼厳山から奇妙山(長野市松代)も疲労が蓄積した体にはハードでした。
しかしながら意外にも、終盤でのロード移動のきつさに比べると登山道ではそれほど苦しさを感じませんでした。
もちろん、きついのですが、急な斜面でも自然と足が前に前にと出ていくのが不思議でした。
奇妙山からJA総合研究所方面への下山も長かったです・・・。
出会いの石
あやからねばなりません。
第七エリアから第八エリアまでのロード移動も長く感じました。
ロード移動中に、一応の目標にしていた24時間以内でのゴールが全く持って無理であることを悟りました。
そして、最終エリアとなる第八エリアの太郎山も急で長い登りでした。(登山道入口には上級者向けルートと記載されていました。)
太郎山の登りでは、夜明け前の北アルプスに感動しました。
白馬方面の北アルプスは、松本市からよりも近く、綺麗に見えました。
そして、北アルプスを眺めていた頃には、生まれて初めて24時間以上、一睡もせずに行動をし続けていました。
未知の領域に突入でしたが、思っていたより、フワフワ感や眠気はありませんでした。
こしき岩
もっさりした感じになってしまいましたが、せっかくなので自撮り。
中央に妙高山。左奥に火打山。
太郎山山頂に到着
太郎山山頂には2つの分岐があり、どちらに進むのか当たりはつけることができましたが、自分の思考力がまともに働いているのか自信もなかったので、途中で抜いた参加者(地元参戦の方)が登ってくるのを5分ほど待ちました。
そして、休憩している風を装って、先に進まれるのをお待ちいたしました。
太郎山山頂からの景色
案内板ズーム
朝霧?が盆地を覆っていました。
たぶん、戸隠連峰
百名山の高妻山が含まれる山塊です。
どこが戸隠山で、どこが高妻山なのか確認している余裕はありませんでした。
太郎山から先は林道を進み、第一エリアで登った井上山を往路とは逆に進むコースレイアウトでした。
林道からちょうど井上山の逆登りに差し掛かるあたりで、ふらつきながら進んでいる参加者がいました。
「もう眠くてね~zzz」とろれつが回っていませんでしたが、それでも井上山の登りに入ると僕の後ろを、一歩一歩着実に登られていました。
往路の時点で予想はしていましたが、
井上山の逆からの登りが最後の最後にとてもきつかったです・・・。
井上山山頂
やっとすべての登りを終えることができたと安堵しましたが・・・、誤って別の方向へと下山をしてしまいました。
途中で踏み跡が無くなったのでおかしいと思い登りをひき返しました・・・。
引き返しているとふらつきながら歩いていた方も僕と同じ方に下りてきました。
やはり、間違いやすいルートなのだと思いました。
無事に井上山の山頂まで戻り進むべき方向に下山を開始しましたが、井上山からの下山も本当に長く感じました。
尾根を歩いても歩いても平地が全然近づかない感覚でした。
そして、そして、井上城址登山口からゴールのお店までがさらに長く感じました。
もはや、まともに走ることはできず、地道にコツコツと進むしかありませんでした。
最終的には、12月2日の午前6時のスタートから約29時間後となる、12月3日の午前11時頃のゴールとなりました。
目標であったコンプリート完走を果たすことができ本当に嬉しいゴールとなりました。
以前から参加したいと思っていたツールド長野に初めて参加することができ、
本当に良いイベントだなと実感しました。
長野盆地を囲む里山と、長野市近郊のロードを巡る、まさにツールド長野(長野市一周)の旅。
特に、高校生までを長野市で過ごした僕にとっては、点と点でしかなかった場所と場所を、自分の足で線として結ぶことができとても良かったです。
道中では沢山の参加者の方と色々なお話しをさせていただき、とても刺激になりました。
ちょっとした会話の端々からも、みなさま、気力、体力、精神力がみなぎっておりました。
そして、本当にありがたかったのは、各エリア計8ヶ所に設営・用意して下さってあったエイドステーションです。(8ヶ所以外にも数ヶ所私設エイド?を設けてくださってありました。)
限られた人数のボランティアスタッフさんでやりくりをして、エイドを運営して下さっていたのだと思います。
ツールド長野の制限時間は32時間なので、32時間にわたり複数個所のエイドステイションを、限られた人数で運営するというのは非常に大変なことだと思います。
スタッフさんも選手同様に、寒さ、睡眠不足、疲労の中に身を置いていたはずですが、エイドに到着した時に暖かく迎え入れていただけるのは本当にありがたかったです。
店長さんのお手製?の鍋ものが多くのエイドで用意して下さってあり、とてもパワーをもらえ温まることができました。
ツールド長野は、店長さんを中心に、手作りの暖かみのあふれる、最高にハードで楽しいイベントでした。
長野市周辺の里山とロードを本当に満喫することができるツールド長野。
毎年、参加させてもらうことができると良いなと思います。
☆ツールド長野130kで携行した装備はこちら☆
☆ツールド長野に向けたトレーニング内容はこちら☆
ちなみに、店長さんはトランスジャパンアルプスレースの完走者であり、トレランレース、ロードのレースにも数多く出場されています。
お店には、そんな店長さんの選りすぐりのギアがそろっています。
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僕がこれまで参加してきた『山岳レース・トレランレースの攻略完走レポート』を、こちらでまとめています。
『僕の登山装備(登山ウェア含む)』をこちらで一覧で紹介しています。お問い合わせいただくことが多いので。
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